令和4年度入学式 校長式辞

式 辞

 校庭の桜の花が春風に舞う中、今年もまた、希望に燃えるこの情報科学高等学校に新入生を迎える季節が巡ってまいりました。新型コロナウイルス感染症の先行きが見えず、まだまだ安心できる状況ではない中での入学式となりました。しかしながら、皆さんの高校生活の1ページは、まさにここから始まろうとしています。

 ただ今、入学を許可しました皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学を教職員並びに在校生と共に、心から歓迎いたします。そして、保護者の皆様方におかれましても、お子様のご入学に対し心よりお喜び申し上げます。

 さて、本校は、昭和63年に創立され、当初より高度情報化社会を担っていける人材育成を目的とした他の学校にはない大きな使命を持った学校です。皆さんも商業科、工業科等といった枠にとらわれない広い視野を持った情報技術者となれるよう精一杯努力してほしいと思っています。特に皆さんは、県下最高の入試倍率を突破した生徒であるという誇りと自覚を持ち、3年間の高校生活を充実したものにしてほしいと強く望みます。

 そのためにも今から私が言うことをしっかり胸に刻んでほしいと思います。1つ目は、「文武両面において何事にも主体的に取り組んでほしい。」ということです。最先端の教育と環境を自負する本校で、初心を忘れることなく、積極的にいろいろな活動に取り組んでください。充実した高校生活を送るためにも、受け身の姿勢ではなく、主体的に取り組むことが必要であり、それを通して、自らの能力を鍛え、人間性を磨き、自分自身をより価値ある自分へと高めてほしいと思います。特に本校の授業形態は、先生方から教えられる受動的なものでなく、君たち自身が自ら考え、学び、伝え合うという県下では類を見ない、生きた授業スタイル、協働的な学びが中心となっています。中学校時代の考えを捨てて新たな学びに挑戦してください。

 2つ目は、「皆さんの中に眠っている、無限の資質や能力を開発してほしい。」ということです。皆さんが本来持っている「本当の自分」や「無限の可能性」に出会い、それを引き出してほしいのです。皆さんには「できない。」「わからない。」を前提にするのではなく「できる。」「わかる。」を前提に物事を考え、果敢にチャレンジし、自分の可能性を最大限に発揮してほしいと思っています。

 3つ目は、「視野を広げ、社会に奉仕する人間に成長してほしい。」ということです。今年1月に、家電メーカーの「ソニー」が、車を製造するという発表がありました。私自身とても驚きました。それと同時に今までの考え方を変えていかなければこの変化する時代にはついていけないと自分に言い聞かせました。これから先の世の中の産業構造は、大きく変わっていくと私は考えています。今までのように物を作って「日本ブランド」という肩書だけで生きていける時代ではなくなります。消費者が、何を求めているのかしっかり考え、それをどのようにして制作し、どのようにして売り込み、販売していくのかそこまで考え、行動できる人にならなければこれからの社会では必要とされなくなるでしょう。それと同時に少子高齢化に伴い、外国人労働者に頼らなければ、日本という国は、成り立たなくなるでしょう。グローバル的な考え方を身につけることと、実際に使える英語を身につけることがこれから先の日本を考えた時に必要不可欠であると強く思います。本校は、まさにそのような人材育成を目指して、教育活動を行っています。本校で身につけた学びが、自分と他者、自分と地球、自分と未来との有意な対話へとつながり、やがては世界中の人々と協働で素晴らしい世界を創造する力へと発展していくことを見据えています。本日より皆さんも本校の学生です。「何事にも手を抜かず本気で取り組む」このことを忘れないで、これから、学校内外で提供される様々なチャンスを生かして自己実現を果たしてほしいと思います。中学校時代から1段高い全くレベルの違うステージに皆さんは上がったことを自覚し、気持ちを切り替えてください。

 最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、重ねてご入学のお喜びを申し上げます。本日、大切なお子様を確かにお預かりいたしました。私たちは、本校の教育に誇りをもって日々全力で取り組んでおります。必ずや3年後たくましい大人の若者に成長した姿をお見せできるよう、職員自らが共に学び続けることをお約束いたします。生徒1人ひとりが夢をかなえ、大きな花を咲かせてくれるものと信じています。そのためにも、ぜひ学校のことを100%信頼していただくとともに、家庭と学校との風通しを良くしながら、お子様の成長に向け、一緒に取り組んでいきたいと思いますので、何卒、ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

 新入生の皆さん1人ひとりが「なりたい自分」を見つけてくれることを願い、私の式辞といたします。

         令和4年4月11日

         大分県立情報科学高等学校

          校 長 橋本 武晴