『令和5年度・ 卒業式 校長式辞』を記載しています。

2024年03月04日

[ コンテンツ・データ記載= 総務分掌 WEB担当  ] ※参考 = アイテム更新  3月 4日 (月)  

 式 辞

  霊山を望む、ここ芳河原の地にも、春の息吹を感じられる季節となりました。PTA会長 祖田真由子様、深田彩様をはじめ、ご来賓の方々、保護者の皆様のご臨席を賜り、ここに、令和五年度卒業証書授与式を盛大に挙行できますことは、教職員・在校生にとりまして、この上ない喜びであります。

  ただ今、全日制261名、定時制3名の卒業生の皆さんに、卒業証書をお渡ししました。担任の読み上げに、凛として応える皆さんの姿に、「逞しさ」を感じます。

  卒業おめでとう!

  保護者の皆様も、これまでの子育ての大変さと喜びを存分に味わっていることと思います。あらためて、心よりお祝い申し上げます。

  振り返れば、四年生は高校入試直前、三年生は中学生活の真っ只中、新型コロナウィルスの感染拡大により、私たちの日々の生活は一変しました。『密であるはずの学校生活』は「三密を避ける生活」となり、様々な行事は、中止や延期、縮小を余儀なくされました。

 しかし本校は、昨年度から、生徒・職員・保護者が一丸となって、「大切な高校時代の思い出づくりは絶対に諦めない!」という気概を持ち、「感染防止」に努め、工夫を凝らすことで、コロナ前の『当たり前』の教育活動を、ほぼ取り戻すことができました。

 そして五月、五類に移行、『リスタートから完全復活した体育大会』では、“仲間や先生との一体感、最後まであきらめない姿勢、相手を思いやる優しい心”を感じ、私たちは皆さんの『大工魂』に感動と勇気をもらいました。

「部活動・ものづくり活動・生徒会活動」では、仲間と切磋琢磨して試行錯誤を重ね、各種大会・大工祭で緊張感や達成感を感じ、涙しました。授業や実習の集大成として臨んだ「課題研究発表会」や「進路報告会」では、堂々と自信を持って成果を発表する姿に、三年間・四年間の成長を感じるとともに、先生や家族に対する感謝の言葉には心打たれました。「体験入学・中高連絡会」では自らの体験をもとに、各科の魅力・特色を発信してくれました。

  自分だけでなく、後輩や大工のために、みんなが活躍してくれました。

  本校は、大分の工業系高校を牽引し、『不易』である「ものづくりはひとづくり」による「人間力」と、『流行』である「AI、Iot、超スマート社会」の中での「対応力」をバランスよく育成することを目標にしています。全国若年者ものづくり競技大会フライス盤職種 金賞、全国SDGsコンテスト 最優秀・特許証取得、ロボット相撲・ロボット競技の全国入賞、ものづくりコンテスト大分県大会 六部門中 四部門 最優秀獲得など、皆さんは、その目標をしっかりと体現してくれました。

  このような全ての活動が、青春の輝く思い出であり、「成功や失敗の体験」により身に付けた「人間力や社会対応力」こそが、大きく変わる社会で「生きる力」となります。

  皆さんの四年間・三年間、特にこの一年の頑張りに心から拍手を送ります。

  今日は、自分を存分に褒めてください。と同時に、ともに過ごした仲間や先生、何よりここまでずっと支え続けてくれた家族へ、今の『感謝』の気持ちを、必ず、言葉や手紙で伝えてください。

  私は、教員生活集大成の年に、大分工業高校で皆さんと出会い、ともに卒業できることを、大変うれしく思います。

  ここで、卒業に際し、二つの言葉を送ります。

  一つ目は、『新しい世界を知ろう』

  高校生活では、修学旅行で知らない場所に行ったり初めてのスキー体験をしたり、部活動で全国大会に出場したり、仕事やボランティアなどの新たな社会体験をしたり、新しい世界を知って、様々な挑戦をしてきたことと思います。

  そこで、「やればできる」という自分の可能性を広げ、「逞しく生きる力」が身に付いたことと思います。

  社会に出ても、「どうせ」って投げやりにならず、「もしかしたら」って、プラス思考で、自分の可能性を信じて、新たな夢や目標に向かって、TRYし続けてください。結果は、必ず、後からついて来ます!

  そして、「新たな世界での出会いを大切に」、自分の固定観念にとらわれることなく、世界観や価値観の幅を広げて、『縁を絆に』深化させ、『心豊かな人』になってください。

  二つ目は、『命を大切に』

  現代社会は、地球温暖化による異常気象や未知の感染症、自然災害、少子高齢化、ウクライナ・イスラエル紛争、北朝鮮のミサイルなど、予測困難で先行き不透明な時代、「VUCA」の時代と呼ばれています。30年以内に70~80%の確率で起こると言われる南海トラフ地震も危惧されます。

  自然災害や感染症などは、「何時どこで起きるか」、誰も正確な予測はできません。しかしながら、これまで皆さんは、SDGsを意識した学びを進めてきました。自分の命や、大切な人の命を守るために、「危機意識」を高め、正確な情報を見極め、高校時代に培った「自ら考えて行動する力」を活かして欲しいと思います。家族や地域と一体となって、一人ひとりの『大切な命と財産』を守りましょう。

  結びになりますが、保護者の皆様には、昨年度からコロナ禍での体育大会の応援や除草作業、大工祭ガーデンレストランなどへのご理解とご協力をいただき、感謝の気持ちで一杯です。

  私ども教職員一同、今後も保護者や地域に信頼される学校になるよう、一層の努力を重ねて参ります。ご臨席いただきました皆様方へ重ねて感謝申し上げますとともに、引き続き、本校へのご支援・ご協力をお願いいたします。

  私たちは、皆さんを応援し続けます。持続可能な世界を実現するため、技術の道で未来をひらき、自由と平和を表現する「校章」のハトのように、大きく社会へ羽ばたけ!

  前途が健やかで、幸多からんことを祈念し、式辞といたします。

   令和6年3月1日

                                                                                                                                   大分県立大分工業高等学校

                                                                                                                                     校⾧ 佐藤 啓治

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[ 記載データは、3月1日(金)に実施された『令和5年度・ 卒業式』並びに『定時制教育振興会表彰式・記念品贈呈式』等の様子を纏めたダイジェスト・ファイル《Ⅱ》。 ]