在校生・保護者の方へ
令和7年10月31日(金)に、ウサノピアで本校の文化祭である「照陵学園祭」が開催されました。書道部は、日頃の精進の成果を発表するべく、毎年『書道パフォーマンス』を行っています。今年も開会行事に続くオープニングで披露させていただきました。まず、書道部員を紹介します。※( )内は出身中学および役職
【電子機械科2年】 河野里奈(駅川)、竹下藍里(北部)
【ビジネス管理科2年】 石橋大斗(西部)
【生活デザイン科3年】 德光紗菜(駅川/部長)、村上妃那(西部/副部長)
今年の揮毫(きごう)は『風林火山 ~疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山~ 』です。何を書くかは部員が相談して決定しました。戦国大名、武田信玄の軍旗で有名な『疾如風徐如林侵掠如火不動如山』ですが、紀元前500年頃の古代中国、斉国の軍事思想家「孫武」の兵法書『孫子』に由来します。「孫武」は「孫子(そんし)」とも呼ばれます。ちなみに「子(し)」とは、男子の尊称に当たります。(例:孔丘 → 孔子、孟軻 → 孟子)
本番では3年生が『風林火山』を、それ以外を2年生が担当しました。『ピースサイン(米津玄師)』と『ワタリドリ(Alexandoros)』の2曲をバックグラウンドミュージックに、大勢の観客を前に堂々と筆を運び、最後に落款(らっかん)を押して完成させました。添付写真の1枚は部長の德光さんが客席に向けてスピーチをしている場面です。德光さんは、向野理恵先生をはじめとする部顧問への感謝の言葉を述べるとともに1・2年生へ入部募集も呼びかけました。
華やかなドレスの写真は、3年生部員の村上さん(左)と德光さん(右)です。二人は生活デザイン科(家庭科)に所属しており、学園祭のトリを飾る「ファッションショー」にも出演しました。ドレスは全て手作りです。9月・10月の放課後の毎日、ドレス製作や書道の稽古と並行して進路に向けての準備も行ってきました。また、村上さんは生徒会でもあり、学園祭の企画・運営にも携わりました。それぞれ進学試験、就職試験にチャレンジし、無事に進路も決定しました。村上さん、德光さんの二人だけではなく、本校には何事にも主体的に取り組み、多方面に活躍する生徒が多いと感じています。今年の「体験入学」には、昨年を約40名も上回る中学生の参加がありました。中学生の皆さんには、農業、工業、商業、家庭の4学科を有する本校を、進学先候補の一つとして検討してほしいと思います。前述のように村上さん、德光さんの所属学科は生活デザイン科(家庭科)ですが、独立した家庭科の専門学科が設置されているのは、県内県立学校では本校のみです。
最後になりますが、孫子は、非好戦的かつ現実主義の人物であり、『孫子の兵法』とは、端的に言えば「可能ならば外交によって戦争を回避するべきである」という教えです。紛争や戦争のない平和な世界を願う書道部員全員の思いが、この『風林火山』の揮毫に込められています。ロシアとウクライナ、イスラエルとガザ地区(パレスチナ)をはじめ、今なお世界中で紛争・戦争が絶えません。部員の願いが世界の為政者に届くことを期待します。文責:書道部顧問(古原)


