【国語×進路指導】あなたは「敬語」を使えますか?

 高校の国語の授業では、「敬語」学習を就職・進学の進路を決定する3年次に扱うことが多く、面接試験や小論文(作文)試験には、「敬語」の適切な使用が求められます。もちろん「敬語」は、社会人として必要不可欠なツールでもあります。

 日本語は、他国の言語と異なり、「敬語」が厳密に定められています。例えば、「敬語」とは意味合いが違うかもしれませんが、英語であれば誰に対しても「Good Morning」で構わないものの、日本ではそういうわけにはいきません。「オッス!」「おはよう」「お早うございます」など、相手に対しての使い分けが必要です。この使い分けこそ「敬語」の根本であり、「敬語」には、『尊敬語』、『謙譲語』、『丁寧語』の3種類があります。

【尊敬語】相手の動作を直接敬う  A「校長先生が校長室にいらっしゃる
【謙譲語】へりくだって相手を敬う B「佐藤さんの家に家庭訪問にうかがう
【丁寧語】「です、ます」をつける C「明日は台風接近のため休校です
 *Aは校長先生、Bは佐藤さんの保護者様、Cはクラスの生徒への敬意を表します

 2007年2月に文化庁文化審議会の国語分科会の答申として「敬語の指針」が出されました。この指針では、謙譲語と丁寧語がそれぞれ2つに分けられ、①尊敬語、②謙譲語、③丁重語、④丁寧語、⑤美化語の合計5分類となっているのが特徴です。また、答申には以下のことも書かれています。

敬語は、話し手が、相手や周囲の人と自らの人間関係をどのようにとらえているかを表現する働きも持つ。留意しなければならないのは、敬語を用いれば、話し手が意図するか否かにかかわらず、その敬語の表現する人間関係が表現されることになり、逆に、敬語を用いなければ、用いたときとは異なる人間関係が表現されるということである。

 つまり、「敬語」は他者との『人間関係』において重要な役割を担っており、「敬語」を使うか、使わないかで、人間関係を良好・円滑に保つ、あるいは反対に悪くするということだと思います。

 本校では毎年6~7割の生徒が就職しています。高校卒業後、すぐに「社会人」となるということであり、「敬語」を適切に用いて会話できることが求められます。これは進学においても同様です。「敬語」の必要性は、就職・進学を問いません。よく部活動では「練習でできないことは試合でもできない」と言います。高校生、中学生の皆さんには、毎日の学校生活の中で「敬語」を使って話したり書いたりして、「敬語」に慣れておくことを勧めます。間違いを恐れず、積極的に「敬語」を使ってみてください! 文責:指導教諭(国語)