【学校運営】「自己有用感」?「自尊感情」?

 本校の学校経営ビジョンに「自己有用感と自尊感情を育む地域貢献」を挙げています。また、この学校ホームページ画面にも青地に白文字で書かれています。「自己有用感」や「自尊感情」という言葉は、近年よく耳にするようにはなりましたが、目には見えない感情や意識を表すゆえに曖昧な理解となりがちですので、以下に説明させていただきます。

 「自己有用感」とは、他の人の役に立った、喜んでもらえたなど、自分と他者(集団や社会)との関係を肯定的に受け入れることで生まれる評価です。「自尊感情」とは、Self-Esteamの訳語であり、自己に対して肯定的な評価を抱いている状態、自分自身を価値ある存在として捉える感覚です。
 他者の存在を前提としない自己評価は、社会性に結びつくとは限りません。「自己有用感」に裏付けられた「自尊感情」の獲得が大切です。いずれも高校生活はもとより、社会人に求められる資質です。本校では就職生、特に地元3市(宇佐市、中津市、豊後高田市)への就職が多く、地元就職率は令和3年度が82%、4年度が80%、5年度が75%と極めて高い値で推移していることが他校とは異なる特徴であり、「自己有用感」と「自尊感情」を地域の中で養うことが肝要です。そのため、大分県教育庁高校教育課の「地域との協働による高校魅力化推進事業」として、4学科の出前授業、SDGsの地域貢献活動、両合(りょうあい)棚田保全活動、うささんマーケット、シン・うささんプロジェクトなど、地域において様々な取組を展開しています。本校が提唱する『定住促進』と学校経営ビジョンを活かして、社会に有為な人財を地元に根付かせることが、本校が自ら課したミッションだと考えています。