【授業改善】「ゴケン授業」って何?

 国語の授業はじめに、「今日から2週間、【ゴケン授業】があります。では、『ゴケン』を漢字で書いてみましょう!」と伝えたところ、正解は出ませんでした。「先生がお互いの授業を見合うこと、『お互いに見る』です」と補足すると、やっと数名の生徒が書きました。確かに「ゴケン」をパソコンやスマートフォンで変換しても、主なものは「護憲」「語圏」程度であり、「互見」は出てきません。学校現場での用語ということでしょうか。

 本校では「第1回互見授業」を6月12日(月)から2週間の予定で実施しました。授業参観にあたり、お願いしていることがあります。
①「参観者は授業者に事前に参観希望を伝え、授業者は教科書コピーや授業プリントを用意する」→ 手ぶらで漠然と見るのと、生徒が今何をやっているのかを理解して見るのとでは大違いです。
②「参観する際には『授業観察シート』を利用し、記入後は授業者に渡す」→ 13の評価項目(4~1で評価)と感想やアドバイスのコメント欄で構成しています。
③「冒頭で【本時の目標(めあて)】を提示し、終わりに【振り返り(まとめ)】を行う」→ 【本時の目標】を示しては生徒に答えを教えるようなものだという意見もあります。しかし、提示しなければ行き当たりばったりの授業になりがちです。生徒においても、今日、この50分で何をするのか、何を身に付けるのかを知っておかなければ「不安」に感じるでしょう。「目標を疑問形にする」という手法もあります。例えば、夏目漱石の小説『こころ』において、「Kの部屋のふすまが少し開いていたのは何か意味があるのだろうか?」などです。疑問形にすると、生徒はその答えを考えようと自然とするものです。
 併せて【振り返り】も重要です。【振り返り】=「復習」と言えます。本校生の「学習習慣実態調査」によれば、自宅学習で「復習」まで行っている生徒は少数です。したがって、授業内で「短期の復習」を行うことで、内容理解・定着に効果があると考えます。

 さて、私は今回、2名の教諭の授業を参観しました。同じクラス(L2)が、座学と実習、また授業者によってどのような違いがあるかも見てみたいと考えたからです。

 ○ 福田 尚樹 教諭(英語科) 「英語コミュニケーションⅠ」 生活デザイン科2年
 ○ 岩尾 瑠衣 教諭(家庭科) 「ファッション造形」     生活デザイン科2年

 福田教諭は、教育用クイズアプリを効果的に使用して小テストを行っており、生徒が各自の一人一台端末(タブレット)で、集中して楽しみながら学習に取り組んでいたのが印象的でした。また、小テスト終了直後にはタブレットを机中にしまわせ、タブレット使用のオンオフ、メリハリをつけさせていました。
 岩尾教諭は、甚平(じんべい)の被服実習において、全体指導の後に個別指導として、生徒の困りやつまづきを解決すべく丁寧な助言を行っていました。被服検定時の減点ポイントなども指摘することで、制作と同時に検定試験対策ともし、授業後には、MetaMoJiで「振り返りシート」を提出させていました。

 福田教諭、岩尾教諭は、県教委主催の『令和5年度指導教諭をリーダーとしたチームによる授業改善の推進』に自ら手を挙げて参加しています。本校のような4クラス規模の学校から2名参加することはめったにありません。しかも、二人とも3年生のクラス担任です。進路指導に追われる3年次ですが、自己の授業力のスキルアップを図ることで生徒に還元するとともに、「主体的な学びの姿勢」を見せることは、生徒においても「よき手本」となるに違いありません。7月には「授業アンケート」「校内授業研究会」を行います。本校の『授業改善』が、両教諭のような次代を担う新進気鋭の教員により推進されることを期待しています。 文責:指導教諭(古原)