【図書館】4名入賞!「大分県読書感想文・感想画コンクール」

 今年も「大分県読書感想文コンクール」に、各学年から2作品を応募しました。今回は第64回のコンクールに当たります。県内各校の代表作から、ビジネス管理科1年の池上萌衣さん(駅川中出身)、生活デザイン科2年の田仲莉奈さん(北部中出身)、生活デザイン科3年の中山結彩さん(駅川中出身)の3名が、【最優秀(1編)】【優秀(8編)】に続く【優良(16編)】を受賞しました。3年前は1名入賞、2年前は2名入賞、昨年は3名入賞、今年も3名入賞と、本校の入賞者が年次を追って増えたのはたいへん喜ばしいことです。なお、池上さんと中山さんは「自由図書」の部で、田仲さんは「課題図書」の部での応募でした。さらに「読書感想画」では、生活デザイン科3年の宮木陽菜さん(西部中出身)が「自由図書」の部で見事【優秀(10編)】を受賞しました。本校において「読書感想画」での入賞は久しぶりです。

 池上さんは、脚本家の宇山佳祐さんの小説『桜のような僕の恋人』を選びました。「泣ける恋愛小説」として、TikTokで話題になり、映画化もされた人気小説です。カメラマン見習いの青年(晴人)と、難病を患った美容師(美咲)の恋愛模様を描いています。池上さんは感想文の中で、「今この瞬間を大事に生きることの大切さを実感した。家族や友達、恋人や夢、どれも当たり前にあるものではなく、いつか失ってしまうかもしれない危ういものである。だからこそ、何気ない日常の中にある幸せを感じ取り、確かめながら生きたいと思った。」と綴っています。池上さんだけでなく、若い生徒の皆さんにはぜひとも実践してほしいと願います。

 田仲さんは、今年の「課題図書」である名取佐和子さんの小説『銀河の図書室』で書きました。毎年、3冊が「全国課題図書」に選定されますが、1冊2,000円前後と高額なのが難点です。田仲さんは本校の図書館で借りて読みました。賢明な行動だと思います。この小説は、宮沢賢治の作品に関する同好会「イーハトー部」で活動する高校生たちの青春を描いています。「『ほんとうの幸いは、遠い』この言葉が、本を読み終えた後もずっと頭に残っています。」と書き始め、「自分なりの、私にしか見つけられない『ほんとうの幸い』を見つけられるように日々努力します。」と結んだ田仲さん。この本から「答え」ではなく「探し方」を教えてもらった田仲さんは、いつかきっと見つけることでしょう。

 中山さんは、水野敬也さんの『夢を叶えるゾウ』を読みました。ごく平凡なサラリーマンが「神様」を名乗る謎の生物「ガネーシャ」の指南で、課題を解決しながら自らの人生を変えていく物語であり、テレビドラマ、テレビアニメ、舞台、ニンテンドーDSソフト他、様々な形で人気を博した作品です。「ガネーシャ」が与える課題は様々で、イチロー選手の「靴を磨く」や手塚治虫さんの「その日頑張った自分を褒める」などもあります。中山さんは「日々の生活の中でできることをコツコツと地道に積み重ねることが、将来の夢や目標の発見、いずれは達成へとつながると信じる。」と述べ、『実践して身につくまで継続することの大切さ』を実感していました。

 宮木さんは、新堂冬樹さんの小説『少年は死になさい…美しく』を読んで「読書感想画」を描き、応募しました。この小説は題も印象的ですが、内容も極めてショッキングであり、評価が分かれる作品とも言えます。宮木さんに作画について話を聞くと、「1年前、私はこの作品のエスキース(素案)をしていた。当時、この絵の行く末など考えてもいなかったが、気づけば目が痛くなるような色と不気味に笑う「ニンゲン」と「ミミズ」、まるで夢にでも出てきそうなラインアップとなっていた。」ということでした。さらに宮木さんは絵に『髀肉の嘆』というタイトルをつけました。『髀肉の嘆(ひにくのたん)』とは、実力を発揮する機会がなく、いたずらに月日が過ぎていくのを嘆くことを指す故事成語です。手元に絵がないのでお見せすることはできませんが、深遠な意味合いを持つ作品に仕上がっていると想像しています。

 さて、依然として児童・生徒の読書量は少ないことが、全国学校図書館協議会(SLA)が2025年6月に実施した「第70回学校読書調査」からもよくわかります。以下のデータをご覧ください。

【5月1か月間の平均読書冊数】 ※小学生は4~6年生
高校生 2023(1.9)→ 2024(1.7)→ 2025(1.4
・中学生 2023(5.5)→ 2024(4.1)→ 2025(3.9)
・小学生 2023(12.6)→ 2024(13.8)→ 2025(12.1)

【不読者(0冊)】
高校生 2023(43.5)→ 2024(48.3)→ 2025(55.7
・中学生 2023(13.1)→ 2024(23.4)→ 2025(24.2)
・小学生 2023( 7.0)→ 2024( 8.5)→ 2025( 9.6)

 この3年間、どの層においても平均読書冊数は減り、不読者が増えるという傾向が顕著であり、「読書離れ」は解消どころか進行するばかりです。読書感想文についても、AIに書かせたり、メルカリで販売されていたりと、自分自身での創作か否かが判別しづらい状況もあり、教員や選考担当を悩ませています。その半面、電子書籍での読書量は増えており、読書も新時代に入ったと言えるでしょう。とはいえ昔も今も「読書が読む人の人生を豊かにする」ことには変わりありません。読書を習慣化し、主体的に読書に親しもうとする児童・生徒であってほしいと願います。文責:国語科主任(古原)