【授業改善】「せんせいにあいすを買ってもらう」~初任研に係る研究授業~

 令和7年7月17日(木)2限に、生活デザイン科1年を対象として、保健体育科の平原弘稀教諭が、初任者研修に係る研究授業を実施しました。科目は『保健』、単元は「休養・睡眠と健康」です。教科指導員を務める北崎幸洋教諭が見守る中、吉渡正満校長をはじめとして、多数の教職員が平原教諭の授業を参観しました。

 『保健』の【本時の目標(めあて)】は「健康を保つための休養や睡眠の取り方を理解しよう」でした。既習の生活習慣病についての知識を土台にして、自他の生活習慣を振り返り、健康的な生活を送らせることを主眼とした、実生活にも有効・有益な授業でした。MetaMoJi ClassRoom などの複数の教育用アプリを使用し、グループワークによる協働的な学びもあったうえに、50分の中で予定された学習活動を、「学習指導案」に沿って全て消化しました。今も昔も研究授業というと、「内容を盛り込み過ぎて時間内に終わらなかった」ということがよくあるものですが、板書計画(映写を含む)も予定通りで、極めてスムーズな授業展開、授業運営でした。その他、評価すべき点を以下に簡潔に記します。

【評価すべき点】
① 授業前の「黙想」を、起立したままで行った。
② 導入時に「Slido(スライド)」というアプリで質問に回答させた。
③ 「本時の目標」を筆記させるだけでなく、全員で音読もさせた。
④ 黒板中央に映写、左右にチョークで板書し、全面を使っていた。
⑤ 具体的事例(著名な超ショートスリーパー等)を挙げていた。
⑥ 生徒の発言を「素晴らしい!」と肯定的に評価し、褒めていた。
⑦「振り返り」の感想を、6つのキーワードを用いて書かせていた。

 他にも評価すべき点はありますが、若干の改善点も感じました。たとえば、上記②において「自分の疲労解消法」」について「Slido」で回答させました。「Slido」はリアルタイムで投票や回答ができ、双方で共有もできるアプリです。平原教諭はQRコードを一人一台端末(タブレット)で読ませ、問いに回答させていました。電子黒板には生徒の回答が次々に現れ、予想通り「睡眠」という回答が最多でしたが、特に掘り下げたりすることなく、サラッと次に進んでいました。中には「せんせいにあいすを買ってもらう」などの面白い回答があったので、「もったいない」と感じました。個性的な意見を拾い上げることで、生徒に授業に興味関心を持たせたり、対話的で深い学びに至るきっかけを与えたりすることができるものです。
 また、⑤において、1日45分睡眠の超ショートスリーパー堀大輔さんの紹介に続き、「夢を見るのは眠りが浅い証拠」と説明しましたが、「最近見た夢」について、授業者が披露したり、生徒に回答させたりするのも上記同様の効果があると思います。脱線しすぎてはよくないものの、生徒が教材や授業に興味関心を持ち、「面白い」「楽しい」「自分もできる」と思えば、「授業がわかった!」という達成感を味わうことに至ると考えます。『授業者と生徒の協働による対話的で深い学び』については、今後の改善工夫を期待します。

 本校では「互見授業」「授業アンケート」「校内授業研究会」を【授業改善】の3本の柱に据え、年間2回実施しています。「初任者研修」だけでなく「ステップアップ研修Ⅰ」「ステップアップ研修Ⅱ」「フォローアップ研修」「中堅教諭等資質向上研修」の対象者もいます。様々な取組や研修をとおして、個人の授業力向上、本校の授業改善の伸展となることを望みます。文責:指導教諭(古原)