産業デザイン科 外部講師授業 MAZDA

日時 2023年12月13日(水) 5.6限 

対象 産業デザイン科 2年生:36名  1年生:42名
講師 マツダ株式会社 デザイン部デジタルデザイングループ

 デジタルモデラー

  田吹歩夢(たぶきあゆむ)氏

  2012年、本校産業デザイン科卒業

 アシスタントマネージャー

  熊谷竜司(くまがいりゅうじ)氏

  2002年、本校産業デザイン科卒業

 
演題  Car Design × Job

我が国は多くの自動車産業が支えています。

そのような中でも、そこに「philosophy=哲学」と「命を懸ける」クルマづくりに邁進している企業はそう多くはありません。

マツダ株式会社は広島県安芸郡府中町に本社を構える自動車メーカーです。

1920年に創立され、従事する人は、本体で20,000人超え、グループ企業全体で50,000人を超える大企業で、先ずはその巨大さを知り圧倒されました。

デジタルモデラーである田吹さんがパワーポイントで生徒たちに分かり易く話を進めてくださりました。

マツダは2010年より、魂動(こどう)というデザイン哲学のもと、生命感あふれるダイナミックなデザインのクルマを創造してきました。

「クルマにより感情的な生命を与える」

これこそマツダの哲学であり、伝統に繋がっています。

また、その価値を深化させることが重要であり、これからの「日本の美意識」の体現を追求しています。

これは、次世代デザインでは「引き算の美学」であり、無駄を削ぎ落とすことによって生まれる「余白」を大切にし、要素を削ぎ落としたシンプルなフォルム、そして研ぎ澄まされた「光の動き」でクルマに生命を吹き込むことに挑戦しています。

マツダのデザイナーは

「Exterior」「Interior」「Interface」「CMF」の4部門、

モデラーは

「Digital」「Clay」「Hard」の3部門

以上のように分かれており、エンジニアと毎日のように議論を重ね、本当にいいクルマづくりを追求していっています。

特筆すべきはマツダ独自の「CMF」。

「Color、Material、Finish」の頭文字であり、「色合い、素材、仕上がり」を意味しており、これを大切にしています。

講演の途中でワークショップも交えました。

テーマ『AIが発展する今後におけるデザインの将来について』と題して、用紙に生徒たちは各々の考えを書いていきました。

続く発表では、「感情は人間でしか出来ない、表せない、判断できない。」、「AIは新しいモノが生まれない恐れがあり、デザインは人にしか出来ないモノである。」といった意見が多く、時代は移り変わっても、ヒトがやることは不変であるといった解説がありました。

最後に田吹さんはこう言って締め括りました。

「皆さんの将来、どのような仕事でも楽しさとやりがいを持ってほしい。

 手を抜かずに思いを込めて、いかに仕上げるか、責任の重さは伸し掛かってくるが、考えることを止めないでいただきたい。 

 仕事が楽しさにきっと繋がるはずだから、粘り強く頑張ってほしい。」

本校生徒たちにとって、マツダ株式会社のことをより深く知るきっかけになりましたし、クルマづくりの精神を学ぶ、いい機会となりました。

これからの進路選択の指標となったに違いありません。

 
 関連リンク

マツダ オフィシャルウェブサイト

https://www.mazda.co.jp

マツダ株式会社 企業サイト

https://www.mazda.com/ja