4月9日(火) 令和6年度入学式

 夢と希望を胸に抱いた新入生280名を迎え、令和6年度入学式を挙行しました。凛とした体育館の空気の中、新入生代表の中川昭音(あきの)さんが清々しくも力強い宣誓を行いました。先輩達も教職員も新入生の皆さんを心待ちにしていました。今日から鶴工生として、目標に向かって切磋琢磨して行きましょう。


 令和6年度 大分県立鶴崎工業高等学校 入学式 式辞
 春の訪れは、人の気持ちも切り替え、新鮮で力強い風を運んできます。
 この佳き日に、多くの御来賓の皆様、ならびに保護者の皆様方をお迎えして、大分県立鶴崎工業高等学校の令和6年度入学式が挙行できますことに、高いところからではございますが、心から感謝申し上げます。
 本校は、明治39年(1906年)に設立、今年度で118年目を迎えます。この歴史と伝統のある本校に晴れて入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。 皆さんを心より歓迎いたします。
 鶴崎工業高校は、勤勉・協調・創意の校訓のもと、「社会とつながる鶴崎工業」をスローガンにものづくりをコアコンピタンス(すなわち中核となる能力、強み)として、社会に貢献するひとづくりを目指しています。VUCAの時代と言われる不確実性の高い、複雑な社会を生き抜くためには、多様な価値観や文化を受け入れ、自分で考え、自分から新しいものを作り出す創造力が必要です。すなわち主体的に社会と関わり、一人称で課題を解決しようとする人を育てることを教育目標として掲げています。この目標を実現するために私たち教職員は、全力で皆さんと一緒に活動して参ります。また、部活動や学校行事、ボランティア活動なども積極的に取り組みます。是非、多くの交流を通して人とつながり、一期一会を大切にして充実した高校生活を送って欲しいと願っています。
 生徒の皆さんには、高校生活をスタートするにあたり、本校の校訓である勤勉・協調・創意を現代社会の中でどう解釈するか、いかに実践して欲しいかをお伝えします。  
 勤勉とは、何事にも興味と好奇心をもってとことん取り組むと言うことです。多くのことを経験し、自分の世界を広げ、その中で自分の「好き」と思えるものと出会うことができれば、それが皆さんの武器となり財産になります。この「好き」を追求するプロセスこそが自分を高め、成長させることになるのです。鶴崎工業高校の3年間で、是非自分の「好き」を見つけて下さい。
 協調とは、多様性を受け容れ、人への感謝と思いやりの心をもち、仲間とともに社会の一員として生きていくことです。いかに多様な視点でものごとが判断できるかが大切であり、自分が良ければ全て良しではなく、人の痛みや悲しみ、苦しみを理解し、差別やいじめを許さない社会を築いていって欲しいと願います。人は一人では生きていけません。人に助けられ、人を助けて成長していくものです。そのためにも、自分ができることは率先垂範して取り組んで下さい。
 創意とは、定石にとらわれない新たな視点で発想することです。不確実性が高い複雑な社会では、こうすればうまくいくと言う定石が成り立たなくなってきています。答えのない困難に立ち向かうためには、自分で考え、自分で決断し行動することが極めて重要です。目標に向かって考えを巡らせ、行動を起こすことが考える力を育てます。どうか自分の目標を定め、行動に移して下さい。
 勤勉・協調・創意のお話をしましたが、これらの力を養うためには何と言っても「挑戦」することが重要です。皆さんにはたくさんの可能性があります。その可能性を引き出すためには、一歩を踏み出す勇気が必要です。初めからうまくいくことなんてほとんどありません。自分を信じて、あきらめずに挑戦し続けることが大切です。困難を乗り越えた時の自信、失敗しても立ち直るレジリエンス(すなわち回復力)は社会で生き抜くために必要な力になります。挑戦する強さとしなやかさを育てましょう。私たち教職員は、皆の「挑戦」を全力でサポートします。
 最後になりましたが、保護者の皆様、本日より皆様の大切なお子様をお預かりすることになりました。 卒業時には鶴崎工業高校に入学させてよかったと喜んでいただけるよう、教職員一同、持てる力を最大限に発揮し、お子様の教育に取り組む所存でございます。どうか本校教育活動に対するご理解ご協力、そしてご支援を賜りますようお願い致します。
 本日、入学された皆さん全員が、本校で充実した日々を過ごし、これから拓かれる未来に向け、確かな礎が築かれることを祈念して式辞と致します。
令和6年4月9日
大分県立鶴崎工業高等学校
校長 矢部 英明