着任のご挨拶

 本年度着任いたしました校長の佐藤 毅(さとう つよし)と申します。日頃より本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、深く感謝申し上げます。
 本校は平成24年度より旧津久見高校、臼杵商業高校、海洋科学高校(現在は独立)が発展的に統合することを目指し新たに開校し、地元では「津高」の愛称で親しまれています。普通科、工業科、商業科の3つの大学科が併設され、多様な進路選択に対応した学習を行なっています。「至誠・感動・進取」の校訓のもと、生徒と職員が一つになって、専門的な知識・技能の習得と進学力の向上を図り、将来地域を支える人材として、新たな価値を創造し社会に貢献できる力の育成を目指しています。
 さて、現代は日に日に生成AIやIoT技術が発展し、VUCA時代と呼ばれるように、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代といわれています。しかし、いつの時代でもこの「先行きの不透明さ」は同じだったのではないかと思います。130年前、明治時代に書かれた福沢諭吉先生の「文明教育論」で次のように書かれています。「世界万物についての知識を完全に教えることなどできないが、未知なる状況に接しても狼狽することなく、道理を見極めて対処する能力を発育すること、それこそが学校の果たす役割である。」と。大切なことは、自分の持っている知識・技術が直接的には「使えない」状況になった時、「なお何ができるか」という能力だと理解しています。それこそが人類が発展してきた「智恵」ともいえます。
 私も校長として、このような能力を備えた人材を輩出するべく、これまでの経験を活かして微力ではありますが津久見高校の益々の発展のため、全力で職責を果たしていくことを申し上げ着任のご挨拶といたします。