学校案内

【校長式辞 要旨】
「夏の空はまだオレンジとピンクとほんの少しの群青の間で僕らを見下ろしている」(※注)という文章を読んで、皆さんはどのような情景をイメージするでしょうか。私たちが「活字」を目にしたとき、それら記号を具体的な情景へと変換するために、脳は無意識のうちにフル活動しています。一方、同じ文章でもその情景を最初から「映像」で見せられたときには脳はこのような働きはしないそうです。特にスマートフォンなどで短時間に大量の映像が一方的に流れ込んできたとき、人間の脳はそれを処理するだけでいっぱいになるといわれています。思考するための脳を鍛えるためには、どうやら「活字」を読むことが有効なようです。
県の調査では、SNSや動画視聴などに1日あたり2時間から3時間費やしているという高校生が3割以上を占めるそうです。1日平均2.5時間使用するとした場合、これを寄せ集めると年間では約38日分にもなり、これは夏休みの日数に相当します。また、脳は何かの作業から別の作業に移行する際に働きを切り替える必要があり(心理学の用語で「スイッチング」というそうです)、これが頻繁に行われると集中力が低下し、作業効率が著しく悪くなるともいわれています。短時間であったとしても、家庭学習中におけるスマートフォンとの付き合い方をよく考えた方がよいでしょう。
人生の成功の秘訣の一つは時間管理であると私は思っています。これからの夏休みをどのように自分でコントロールするか、生徒の皆さんの時間管理能力が試されるときです。ぜひとも、有意義な夏休みを過ごしてほしいと願っています。
(※注)出典:住野よる『君の膵臓をたべたい』双葉社文庫