
校長室

大分県立大分南高等学校 令和2年度 入学式 式辞
大分南高校の敷地にある100本を超える桜が新入生の入学を待っていたかのように満開を迎えています。しかし、今、全世界は新型コロナウイルス感染症対策に追われています。学校再開も危惧されている中、例年とは異なりますが本日、大分県立大分南高等学校 第三八回入学式を 何とか挙行し、保護者の皆様のご列席のもと、新入生の門出を祝うことができることを、私をはじめ職員一同大変うれしく思っています。
ただいま入学を許可いたしました二百一名の新入生のみなさん入学おめでとう。君たちは、令和最初の入学生です。新しい時代を築く主役となるべく、今日からの三年間、真剣に本校の教育活動に向き合う決意をもって高校生活を始めてください。
さて本校は、生徒急増期の昭和五八年に開校し、以来、三八年を迎える歩みの中で、普通科進学校として、県内はもとより全国のあらゆる分野で活躍する有為な人材を多数輩出してまいりました。その間、世界は、国際化・情報化が著しく進展し、ネットを使えば、どこにいようと世界中のあらゆる情報を入手できるだけでなく、発信さえできるように変わりました。一方で日本は人口増加の時代が終わり、少子高齢化・人口減少・地方の衰退という過去にない深刻な問題が拡大しつつあります。「若者は都市部へ」から、「若者を地元に」に変わらなければ、持続可能な社会の構築・共生社会の実現は不可能となっています。
そこで本校は昨年度、「大分南高校は、地域とともにある学校を目指し、10年後・20年後に、地元大分の行政・教育・産業・医療・福祉をリーダーとなって支える人材の育成を目標にした教育活動に本気で取り組みます」という方針を打ち出しました。皆さんもオープンスクールや高校説明会で耳にしたと思いますが、将来は地元大分を支えるんだという気持ちをもって学校生活に臨んでほしいと思います。
あわせて、私は本校の使命として次の三つを設定しています。
一つ目は、「変化の激しい時代を生き抜く『強さ』と、弱者を支え安心安全な社会を築く『やさしさ』を備えた生徒の育成です。本校には平成二四年に福祉科が併設され、一昨年SPHの指定を受けるなど全国トップクラスの福祉に関する学習が行われています。この精神を学校行事や研究発表会を通し全校の生徒にも身につけさせたいと考えています。
二つ目は、グローバルな視点を持ち、ローカルで活動しようとする生徒の育成です。ICTの活用や授業改善を通して幅広い知識・活用力を身に着けるとともに、多様な活動を通して大分の良さを知ってほしいと思います。そして10年後・20年後は、地元大分の行政・教育・産業・医療・福祉の分野をリーダーとなって支える人材となることを期待しています。もちろん世界で、日本の中心で活躍したいと考える生徒にも最大限の支援は行います。
三つ目は、本校の重点目標である「学力向上」・「人間力の育成」・「特別活動の活性化」に真剣に取り組む生徒の育成です。学力向上により自己の進路を切り開く力、進学力・就職力を高め、学校生活全般を通じて良き社会人となるためのルールやマナーと思いやりの心を習得し、多様な特別活動により豊かな感動体験を経験させます。
一方、本校生となる君たちに望むことを三つあげます。
一つめは「失敗を恐れず、いろんなことに積極的にチャレンジしよう」ということです。失敗は恥ずかしいことではありません。大切なことは「同じことを繰り返さないこと、失敗から何かを学び取ること」が成長につながります。失敗を恐れず、いろんなことに積極的にチャレンジしてください。
二つめは、「たくさんの友達を作ろう」です。高校時代の友達は一生の宝です。生涯に渡って助け合える友達を本校でたくさん作ってください。
三つめは「命を大切にしよう」です。事故に遭わない、起こさない、他人を傷つけない、いじめは絶対許しません、必ず守ってください。
保護者の皆様、本日はまことにおめでとうございます。教職員一同、責任を持ってお子様の教育に当たります。しかし、子供の成長には学校と家庭がそれぞれの責任と役割を果たしながらお互いに協力し合うことが重要です。ご家庭におかれましても子供たちを庇護するだけでなく、困難に立ち向かう勇気を教えてください。本校の教育活動にご理解を賜り、ご支援とご協力をお願いします。
最後に、本日ご臨席の皆様方のご健勝とご活躍を祈念し、式辞といたします。
令和二年四月九日
大分県立大分南高等学校 校長 三代 順一