学校案内
皆さん、おはようございます。
一年が経つのは、本当に早いものです。春の歓迎遠足・毘沙門に始まり、部活動の大会、ものづくりコンテスト、体育大会、そして大工祭。皆さんが一途に取り組む姿を、私はこの一年、間近で見ることができました。先般、本年度のジュニアマイスター顕彰制度で、本校が、ジュニアマイスター認定者全国上位30校にランクインしました。大変素晴らしいことです。ちなみに、上位30校の半分は九州の工業系高校が占めています。「一器一芸」にこれからも前向きに取り組んでください。
学校での学びは多岐にわたります。根拠に基づき計算したり、人の話を聞き要点をまとめたり、互いに意見を出し合ったり。これら教科の学びに加え、工業高校ならではの実学に基づいた実習があります。こうした積み重ねの中で、皆さん一人ひとりには、確かな技術だけでなく、思考力や他者と協調する心が、着実に育まれているはずです。
さて、この演壇に取り付けられている大きな「校章」に目を向けてみてください。この校章がどのように誕生したか、知っていますか。
今から78年前の1948年(昭和23年)。当時の在校生や教職員による応募と全校生徒の投票によって選ばれたのが、当時建築科3年生だった園田英雄さんのデザインでした。園田さんは当時の様子を、次のように回想されています。
「昭和20年の終戦直後、日本は極限の貧困状態にあり、大分の街は焼け野原だった。私は軍服に下駄履きで通学し、教科書すらない中で授業を受けていた。しかし、戦時中の極度の疲労から解放され、自由と平和を実感できる喜びは、何物にも代えがたかった」
園田さんがデザインに込めた思いは、「平和・夢・飛翔」です。「生徒の夢を抱いた平和のハトが、大空を黄金色に輝き、はばたき飛んで行く。」という願いが込められています。教科書さえない混乱の中で、たくましく生き、学びを大切にしていた先輩がいた。私が今日、この話をしたのは、なぜか。生徒皆さん一人ひとりに、学ぶことへの誇りと情熱」を持ち続けてほしいからです。
今日で令和7年度が修了します。現在、日本に高校生は約320万人いますが、工業を学ぶ生徒は、そのうちわずか20万人に過ぎません。全国の高校生の平均求人倍率が「4.1倍」であるのに対し、工業高校生に対しては「31.9倍」。この突出した数字こそが、今の日本の現実であり、皆さんがいかに社会から期待されている「貴重な存在」であるかの証です。
この恵まれた環境に甘えず、謙虚に、そして前向きに努力を続けてください。次にこの体育館に集まるとき、皆さんは一つ上の学年に進級しています。先日卒業した3年生も、立派に巣立っていきました。高校生活は、あっという間に過ぎ去ります。
私が伝えてきた「一器一芸」、そして「人に役立つことを考えられる人に」という言葉を忘れないでください。「節度のある元気良さ」と「品位・品格」の象徴である「大工魂」を胸に、さらなる成長を遂げることを期待しています。4月からの皆さんの更なる活躍と飛躍を祈念し、式辞といたします。