令和6年度 第74回入学式 校長式辞

  式  辞

 校庭の木々も青さを増し、希望に溢れた春の季節となりました。
 この陽春の良き日に、多数のご来賓の皆様、そして保護者の皆様のご臨席を賜り、令和六年度大分県立大分東高等学校の第74回入学式を挙行できますことを、心より厚く御礼申し上げます。

 先程入学を許可しました104名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。大分東高校を代表して、皆さんの入学を心から祝福し、歓迎します。

 さて皆さん、本校の校訓を知っていますか?
 校訓とは「学校が定めている教育に関する目標や方針について明文化したもの」であり、学校創立当初から大切にしてきた理念であります。
 本校の校訓は「自律・努力・友愛」です。校庭の石碑に刻まれており、校舎の垂れ幕、この体育館の前方にもこの校訓が掲げられています。

 まず「自律」です。これは「自分で考えて自分自身を律する=すなわちコントロールできる」ということです。もう少し詳しく言うと、「自分自身が、成し遂げようとする気持ちを持ち続け、自ら定めたルールに従って行動を選択できる状態のこと」を言います。
 これが備わってくると、主体性がある行動ができ、責任感を持ち、自分らしさを発揮できるようになります。

 次に「努力」です。これは皆さんにとっても馴染みのある言葉だと思います。
 私は「努力の成果」というものは、一朝一夕では表れないことが多いと考えます。
 しかしながら「努力は裏切らない」ということを信じて、一生懸命に努力する過程を大切にして欲しいと思います。
 将来に向けて大きな目標を作り、その実現のために少し背伸びをしないと届かない計画を立てて、毎日その計画を実行していく努力を大切にしてください。

 三つ目は「友愛」です。「兄弟や友人に対する愛、相手を深く思いやる気持ちのこと」を言います。つまり「人に対して優しい人間」になって欲しいということです。
 ここで一つ紹介したい一節があります。
 アメリカの作家であるレイモンド・チャンドラーが書いた探偵小説の中で、”If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.” これは「強くなければ生きてはいけない。優しくなければ生きていく資格がない」と訳されることが多いです。
 人には負けない強みを磨いていかなければ、しっかりと生きていくことができないのは事実です。
 しかしながら、どれだけ能力的に優れていても、他人に冷たく、優しさがなければ、それは生きていく資格がないということです。
 皆さんには、人への優しさや思いやりを十分に発揮出来る人になって欲しいと思います。

 校訓を意識して、一つ一つ達成していくことが自信につながり、将来、社会で活躍する人に成長していきます。

 日々の授業を真剣に取り組み、また放課後には部活動で仲間とともに自分自身の可能性を広げる等、様々なことに挑戦してください。エネルギー溢れる皆さんなら、きっと出来るはずです。皆さんの高校での大いなる飛躍を期待しています。

 遅くなりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。本日まで愛情深くはぐくんでこられたお子様のご入学を迎えて、感慨もひとしおのことと存じます。
 本校は、教科毎に専門性の高い教職員が揃っています。同時に情熱も兼ね備えています。
 生徒一人ひとりに寄り添い、生徒の特性を十分に把握して、適切に対応していく所存です。
 お子様の健やかでたくましい成長のために、保護者の皆様と学校とが思いを共有し、力を合わせて参りたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 新入生の皆さんの高校生活が充実したものになることを願いまして、私の式辞と致します。

令和6年4月9日
 大分県立大分東高等学校
校長 植野 慎一郎