在校生・保護者の方へ
今日は読書について話します。毎日の朝読書、そしてビブリオバトルが本校の特色にもなっています。それもあって、今日は読書について、ぼくの思うところを話してみます。
まず、ぼくのことから少し話しますと、ぼくは、子供の頃からかなりの本好きでした。小学校の低学年のころには、教室の中にクラス文庫のようなものがあり、たぶん、2~30冊くらいはあったと思いますが、それらはほぼ2~3日で読み終わってしまいました。それで図書館というものが小学校にもあると聞いて訪れたところ、まるで宝の山に遭遇した気持ちになったのを覚えています。そして、4月に教科書が配られると、早速、国語の教科書を1日で全部読んでしまうのが恒例でした。
では、なぜ、ぼくが本に魅力を感じたのか。君たちの多くも本が好きでしょうから、考えてみてください。本の魅力とは何でしょうか。
ぼくの場合は、基本的には、「お話」が好きだったといこうとに尽きるでしょう。それでは、なぜ、「お話」が面白いのか考えてみましょう。
ここで、今日のテーマ、人間にとって読書の意義とは何か、です。
我々は、なぜ「お話」に魅力を感じるのか、その答えは複数でしょうが、一つには、それが自分にとって新しいからということがあるでしょう。
それでは、自分にとって新しいことはどういう風に言い換えられるでしょうか。少し、難しく言うと、自分にとって新しいこととはどのように一般化できるでしょうか。
自分にとって新しいことを一般化すると、それは、「新たな世界観」ということになるのではないでしょうか。
ここで言う「世界観」とは、世界をどう見るかということです。新たな「お話」に触れることで、我々は新たな「世界観」「世界の見方」を獲得していく。たぶん、そのことの楽しさがある。
それでは、我々は多くの世界観を持っている方がいいのでしょうか。どちらかというと、その方がいいのだと思います。先入観や偏見に捉われることが少なくなると思われるからです。
そして、先入観や偏見に捉われないことは、これこそが精神的な自由だということは言えそうな気がしませんか。そうであれば、我々は積極的に「お話」に触れる方がいいということになりそうです。
そして、「お話」に触れる方法の一つに読書があり、本校には「朝読書」がある。ビブリオバトルがある。もちろん、目の前の課題や小テストも重要でしょう。でも、我々が生きていく上で、なるべく先入観や偏見に捉われたくはない、精神的な自由を獲得したい、そのための準備、ストレッチが朝読書なのです。
ここまで、ぼくの話をきいていて、疑問がわいた人もいるでしょうか。「お話」が「新たな世界観」の獲得につながり、それが自由な精神につながることは分かったけれど、「お話」は本だけではなく、映画でもテレビドラマでもコミックでも触れることができる。なぜ、読書なのか。
それは、本が文字で書かれていて、上達するのに最も手っ取り早いこと、応用性が高いこと、理由はいろいろあります。
ぜひ、明日からの朝読書でも読書にふけってもらいたいと思います。