令和6年度 入学式式辞

吹く風に春の香りがあたり一面に漂い、若い生命が力強くあふれ、生き生きと活動する季節が 巡ってまいりました。  
この春のよき日、ご来賓の 倉本英太郎 PTA会長、和知孝裕 同窓会長、ならびに新入生の保護者の皆様方のご臨席を賜り、かくも盛大に入学式を挙行できますことは、本校関係者一同 大きな喜びでございます。ご臨席を賜りました皆様に、厚く御礼申し上げます。ただ今、入学を許可された199名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんは、大きな夢と希望に満ち溢れて今日を迎え、いまこの場にいることと思います。在校生、教職員を代表して皆さんの入学を心から歓迎いたします。また、保護者の皆様方におかれましては、お子様の晴れの姿をご覧になられ、喜びもひとしおのことと拝察いたします。心より、お祝い申し上げます。本校の創立は前身の高等女学校の1911年(明治44年)で、令和6年の今年、創立113年を迎える、大分県屈指の伝統校です。皆さんから見て、右前方に掲げています「君の知性を磨け 君の人格を高めよ 君の身体を鍛えよ」の校訓のもと、生徒一人ひとりの個性や能力を最大限に伸ばしつつ、主体性を高める教育の充実に日々努めています。本校では、知性と人格、そして身体・体力を充実させるためのさまざまなプログラムを用意しています。日々の教科の授業、部活動、生徒会活動はもちろんのこと、例えば毎朝の朝読書、これは10分の活動ですが、1週間で50分、3年間では約90時間を読書に充てることができます。読書はすべての学びの基本ですが、何より大いに読書を楽しんでください。そして、哲学対話。これは、さまざまなテーマについて、一人で考えたり、みんなで考えたりする取り組みです。さまざまな自分自身の課題、地域の課題を自分で探し出し、解決に向けて深く考える力や探究する力を育む活動です。どうか楽しみにしていてください。入学に当たり、私が皆さんに強く期待することは、ただ一つです。それは「その学び、活動は、自分にとって何のためなのか」を常に意識しなさい。」ということです。先に述べた本校の様々な教育活動は、皆さんの主体性を磨く、素晴らしい内容のものしかありません。しかし、「その一つ一つの目的」を見失うと、最も大切に育てたい「主体性」を失い、ただ「活動を強制される」ことになってしまいます。日々の授業、勉強や部活動も、です。当たり前ですが、学校は皆さん方、生徒のためのものです。生徒がいなくなれば、学校も教師も消滅します。あくまでも主役は君たちです。高校は、中学校までの義務教育ではありません。あなたの主体的な意思で、進学してきましたね。その高校生活で、「やらされている、と感じるままの活動は君を成長させない。」ということです。
本校での、価値ある一つ一つの教育活動の目的はすべて最初に伝えますので、それをしっかり心に刻んで、主体的に行動できるような人材に成長してください。期待しています。最後になりましたが、保護者の皆様方に対しまして、重ねてご入学のお慶びを申し上げます。お子様をここまでご立派に育てられたことに対し、心より敬意を表します。その大切なお子様を本日確かに、本校にお迎えいたしました。私たちは、本校の教育に誇りと自信を持って全力で取り組んでおります。まだまだあどけなさが残るこの生徒たち全員を、心身ともに充実し、主体性豊かな大人の若者へと成長させることを、ここに、お約束いたします。何卒、本校へのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。それでは、入学した生徒の皆さんが、本校に入学して本当によかったと思えることを心から願い、入学式の式辞といたします。ようこそ、中津北高校へ。

令和6年4月9日
大分県立中津北高等学校 第27代、 開学通期 第38代 校長 片岡 祐二