令和5年度 校長室より③

令和5年度 第18回入学式を挙行しました

        

 4月11日(火)、春の暖かい日差しの中、第18回の入学式を挙行しました。新入生137名が三重総合高校の仲間入りをしました。3年ぶりに来賓の皆様をお招きし、豊後大野市長の川野文敏様より、激励のお言葉をいただきました。式の中で新入生に贈った私の式辞を全文掲載いたします。

 【校長式辞 全文】

 豊後大野の山々を美しく彩る櫻花と、日ごとにその色を鮮やかにする若みどりの間をすがすがしい春の風が吹き抜けていくこの佳き日に、豊後大野市長・川野文敏様をはじめ、ご来賓の方々のご臨席を賜り、大分県立三重総合高等学校第18回入学式を挙行できますことは、学校にとりまして誠に慶ばしいことであります。また、本日、ご臨席はかないませんでしたが、たくさんの方々から入学を祝福し、励ましのメッセージをいただいております。心から御礼を申し上げます。

 ただ今、入学を許可した137名の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんはコロナ禍という厳しい環境の中で中学生活を送り、高校入試という試練を乗り越えて、今日から三重総合高校の一員となります。本校は、平成18年、高い学力と技術力、豊かな人間性と幅広い知識を身につけ、地域の発展に貢献する人材を育成することを建学の精神として、「普通科」「生物環境科」「メディア科学科」の三学科を併設した、大分県初の総合選択制高校として誕生しました。以来、生徒、教職員のたゆみない努力と、地域の皆様の温かいご支援により、着実に歴史を積み重ね、本年、第18期生となる皆さんを迎えることになりました。

 今、皆さんは、これからの学校生活に対する期待と不安が入り交じった心境だと思います。そのような皆さんに、本校の開校に携わった方々が、その校訓に込めた思いをお伝えしたいと思います。
 本校の校訓は「希望」「誇り」「克己」の三つの言葉です。そして、それぞれに「将来への希望を持ち、心豊かに生きる」「今の自分に誇りを持ち、心正しく生きる」「昨日までの弱さに打ち克ち、強くたくましく生きる」という目標が添えられています。
 これらの言葉には「入学者の中には、必ずしも自分の思い通りに生きてはいない生徒もいるだろう。そんな生徒たちが、将来への希望を見つけ、心豊かに生きる力を育てる学校でありたい。入学者の中には、自分に自信を持てないでいる生徒もいるだろう。そんな生徒たちが、今の自分に誇りを持ち、心正しく生きる力を育てる学校でありたい。そして、そのために、生徒一人ひとりが、昨日までの自分の弱さに打ち克ち、強くたくましく生きる力を身につける学校でありたい。」という思いが込められています。この思いは生徒・教職員の間に自然と受け継がれ、今も本校の教育活動の根底に流れています。多くの先輩がそうであったように、豊かな教育環境を備えたこの三重総合高校での学びを通して、それぞれの夢や目標に挑戦し、実現に結び付けてほしいと思います。
 さて、高校生となる皆さんを取り巻く社会に目を向けてみると、戦争、貧困、格差、気候変動による影響など、実に大きな、そして解決困難な問題が渦巻いています。一方で、すべての人たちにとってより良い世界をつくるために、持続可能な開発目標「SDGs」が設定され、その達成に向け、世界中が動き始めています。一見、遠い世界での出来事が、私たちの日常に直接的に影響を及ぼすのが、グローバル社会の特徴です。皆さんは、これらの世界課題についても認識を深め、高校生として何ができるのかを考えて、その解決に向けた努力をしなければなりません。
 そのためにも、三重総合高校での3年間は、大いに学び、視野を広げ、他者と協働する力を身に付ける時間となります。いろんな人と出会い、たくさん本を読み、豊かな学びを実現させていきましょう。私たち教職員は、皆さんの学びを全力で支えていきたいと思います。
 結びになりますが、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。教職員一同、全力を挙げて、保護者の皆様や地域の方々から信頼される学校づくり、地域に貢献できる人づくりに向けて、教育活動を推進してまいります。是非とも本校の教育に対し、ご理解とご協力・ご支援をお願い申し上げます。
 新入生の皆さんが、今日の喜びを忘れることなく、実り多き高校生活を送ることを祈念し、式辞といたします。 
    令和5年4月11日
                                                                 大分県立三重総合高等学校
                                                                             校 長 渡辺 智久