【SPACE】令和7年度Bootcamp3開催されました!

東京理科大学と大分県、国東高校は、文部科学省の委託事業として「宇宙教育プログラム」を実施しています(3ヵ年計画の2年目)。本プログラムでは、全国から選抜された大学生、高校生と国東高校生が受講生となり、3チームに分かれて年4回の合宿(Bootcamp)を行います。

10月11日(土)から13日(月)に開催されたBootcamp3は、今年度プログラムの第3回に当たります。第3回目となる今回は、第2回目に国東高校で作成した実験装置を用いて、実際に微小重力下で各チームが実験(パラボリックフライト実験)を行い、その結果を分析することを目的としています。

名古屋市内のホテルに集合、全国からの選抜の大学生6名、高校生11名と国東高校生9名の合わせて26名の受講生が参加。過去の受講生が起業した学生のみで運営する宇宙教育ベンチャー企業「宇宙の学び舎seed」(以下seed)4名と東京理科大学と国東高校から教職員9名が参加しました。

1日目は、各班のグループワークを入念に行い、深夜遅くまで各班で最終的な実験装置の点検や実験手順の確認を各班で念入りにチェックしました。

2日目はいよいよパラボリックフライトに向けてホテルを出てバスに乗り込み出発です。

空港に到着した生徒たちは、厳重なセキュリティ検査を終えてDAS(ダイアモンドエアサービス)社の会議室でパラボリックフライトの前にオリエンテーションを受講。フライト概要や注意事項の説明を受け、参加者は専用の作業着に着替えていよいよフライト準備に入ります。フライト前ブリーフィングでは飛行空域の気象条件やパラボリックフライトでの機内での体調変化への対応策などの教示を受け、いよいよ出発です。前回は太平洋上の空域を使用してフライトしましたが、今回は太平洋上に台風23号が本州南岸に接近しており、日本海側の空域でのパラボリックフライト実験となることの説明を受けました。

いよいよフライトに向けてフライトクルーが出発します。会議室からの地上支援班の大きな拍手に背中を押され出発します。

クルーと引率教諭の4名がパラボリックフライトに臨んでいる間は、サブフライトクルー及び地上支援班はスタッフルームで、フライトレーダーを大型ビジョンで眺めながらパラボリックフライトを確認します。併せて、パラボリックフライトの合間に、フライト機にいるクルーから衛星電話を用いての実験状況報告を待ちます。

実験経過報告が入ると地上支援班やサブクルーは拍手で喜び、同時にフライトクルーの体調確認を行い、地上から励まします。パラボリックフライトを終え、15時過ぎに機体は空港に着陸します。会議室でフライトクルーを迎えた後、実験報告をかねて事後ブリーフィングを行います。

微小重力下での各班の実験結果と体の変化などを報告し微小重力下での経験を共有したのち、DASを後にします。

パラボリックフライトを終え、ホテルに帰着した生徒たちは、グループワークで各班の機内で撮影した画像の解析と実験結果データの分析に取り組みます。この日も深夜に及ぶ研究が続きます。

最終日は10時から大分県先端技術挑戦課技術顧問の森 裕和 氏による「世界の宇宙ビジネストレンド」についての講演がありました。

その後、各班で実験結果の経過報告とBootcamp4までのスケジュールをそれぞれが報告しました。

各班の発表ののち木村先生やSeedからの連絡を終え、2週間後に控えたBootcamp4の確認を終え解散となりました。

木村先生からは「実験での成功、失敗という概念よりも、実験結果から得られたデータから何を学び次につなげるかが大切である」と告げられ次回のBootcamp4ではX-Nihonnbashiでの一般公開に向け本物の専門家を前に各班がプレゼンすることになる。この機会の重要性と価値について伝えたのが参加者の心に響いた。

国東高校は名古屋駅から中部国際セントレア空港へ移動し空路で大分空港へ帰着した。またこれから12月のBootcamp4に向けて生徒たちの学びは続く。