【SPACE】令和7年度Bootcamp4開催されました!

12月20日(土)~21日(日)にかけて、東京理科大学の宇宙教育プログラムBootcamp4が行われました。

本プログラムは文部科学省の事業を東京理科大学と大分県、国東高校が3年間研究し、宇宙教育人材の育成を図るというものです。年4回の合宿(Bootcamp)を通じて、東京理科大学の大学生がメンターとなり、全国から選抜された高校生と国東高校生とで構成された3つの班が共同で、宇宙ビジネスの提案を行うための無重力状況下での実験を通じてビジネスアイディアを創出に挑みます。第4回目のBootcampとなる今回は本年度の集大成として、宇宙空間におけるビジネスアイディアを提案します。

国東高校からは1年生普通科から2名、電子工業科から1名、2年生は普通科SPACEコースから3名、普通科ビジネスITコースから2名、電子工業科から1名の9名が参加しました。

この第4回に臨むにあたり、東京理科大学の木村教授をはじめとする教員陣、宇宙の学び舎seedから助言や指導を受け、試行錯誤しながら期日までに協働してビジネスアイデアを構築してきました。これぞまさに「ミッションベースドラーニング」。お互いが協働・分担して一つのものを作り上げていく過程には、多くの学びを得ています。参加した1年生は、大学生や全国から選抜された高校生とともに寝食を共にして、わずか半年で急激な成長を遂げていると実感させられます。表情も、姿勢も変わりたくましさが身についてきてます。

初日は東京理科大学に到着すると昼食を摂り、開会行事を終えた後まずは、実験結果報告会のリハーサルに入ります。

1班 WELTRAUM 宇宙での文化創造 〜液体挙動実験に基づく新しいアートの提案〜

宇宙空間という特殊な環境を、未知の現象の解明だけでなく、人類の新たな美意識や文化の創出に活用する包括的な取り組みを紹介。

2班 μbubble 宇宙で遊べる体験型スポーツ ~シャボン玉を使ったBubble Clash~

宇宙産業の拡大を見据え、日本の伝統的な遊びであるシャボン玉とスポーツを融合させた新しい競技「バブルクラッシュ」を提案。

3班 Cosmometer 噴霧栽培に向けた撥水を用いた水滴制御技術の実証

宇宙空間での農業や生活排水の再利用の可能性を示し、エネルギー消費を抑えた省エネ型の水循環システムとして将来的な月や火星での長期滞在、さらには地球上の乾燥地帯での応用に期待。

リハーサルを終えて、グループワークで修正を加えます。

夜の帳が下りてきました。宿泊先である東京理科大学セミナーハウスに居を移してまずは夕食を摂ります。班ごとに食堂で和気あいあいの楽しい時間を過ごします。

この後、入浴やグループワークで23時の消灯まで各班は入念な打ち合わせを行い、明日の実験結果報告会に向け準備します。

2日目は、朝食を済ませた後、東京理科大学野田キャンパスを早朝に出発し東京都内の日本橋にある宇宙ビジネス共創拠点であるX-NIHONBAHITOWERに移動。いよいよ発表会に臨みます。

簡単なリハーサルで最終確認ののち、本番を迎えます。会場には続々と外部評価委員や経済産業省宇宙産業課長の高濱航氏、ビジネスパートナーとして兼松、日本航空や三菱UFJ銀行など関係各企業の参加で会場は熱気に包まれます。参加者は会場とオンラインを合わせて総勢100名を超える大盛況。いよいよ本番が始まります。

開会行事では向井副学長と木村教授が挨拶。このBootcampに対する期待や想いなどメッセージを送りました。

外部評価委員のご紹介を経ていよいよ実験結果報告会に臨みます。

1班 WELTRAUM 宇宙での文化創造 〜液体挙動実験に基づく新しいアートの提案〜

2班 μbubble 宇宙で遊べる体験型スポーツ ~シャボン玉を使ったBubble Clash~

3班 Cosmometer 噴霧栽培に向けた撥水を用いた水滴制御技術の実証

各班の報告発表は15分間の発表を終え、質問が次々に浴びせられます。「ホンモノから学ぶ」の言葉どおり、質問する側も「学生」への質問ではなく「一流の研究者」としての鋭い質問が飛び交います。その質問にそれぞれの班は協力しながら回答していきます。

各班の発表、質疑応答を終えると外部評価委員などからの講評をいただきました。学生ならではの視点によるビジネスモデルの考察など人選な視点を評価するとともに、日本らしさを取り入れた内容に大いに感銘を受け今後の継続した取り組みへの期待や、地球上での利活用を視野に入れた新たな視点でのヒントをいただくなど、会場は新たな価値創造への基点をいただきました。

昼を過ぎるころ、実験結果報告会を終え、過年度受講生・ビジネスパートナーとの交流会に移ります。発表や質問を経て充実感、達成感を備えた学生や生徒たちの笑顔が会場には溢れます。

指導をいただいた関係者や先輩方とも触れ合いながら、楽しい時間が過ぎていきます。ビジネスパートナである兼松、日本航空、三菱UFJ銀行からも本活動に対する講評をいただきました。

Bootcamp4も終版。閉会式・表彰に臨みます。受講生一人ひとりに向井副学長から「修了証」が手渡されます。逞しくなった表情で向井副学長から修了証を受け取ります。

続いて審査結果の発表です。

1位は向井賞。3班のCosmometer 噴霧栽培に向けた撥水を用いた水滴制御の実証 向井副学長から賞状と副賞が手渡されました。

2位は ビジネスパートナー賞  2班 μBubble 宇宙で遊べる体験型スポーツ ~シャボン玉を使ったBubble Clash~

ビジネスパートナーである三菱UFJ銀行、日本航空、兼松さんから賞状と副賞の授与です。

3位は 宇宙港賞 1班 宇宙での文化創造 〜液体挙動実験に基づく新しいアートの提案〜  

大分県先端技術挑戦課から賞状と副賞をプレゼント。

以上を持ち、本年度の宇宙教育プログラムを閉じました。

ミッションは人を創る。使命を与え時間内に物事をやり上げるという経験を高校生でできたことは、大きな財産になったとともに参加者を大きく成長させてくれました。改めてこのプロジェクトが人を大きくさせることを痛感させられた瞬間でした。昨年よりも更にグレードをUPさせた内容に、前回の経験を後輩たちが受け継ぎここまでこぎつけたと感じさせられました。発表は終わりましたが、まだまだビジネスモデル実現のための研究は続きます。これからがホンモノまでの道のりです。