【SSH】令和6年度3年生SSクラス「探究Ⅱ」課題研究成果発表会を行いました。

令和6年5月17日(金)「令和6年度探究Ⅱ課題研究成果発表会」を実施しました。

これは3年SSクラスの生徒が、昨年4月から「探究Ⅰ・Ⅱ」の授業で取り組んできた課題研究の成果を発表するもので、8月に神戸で行われる「スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」の本校代表を決める選考会を兼ねています。

今年度もお忙しい中、多くの審査員の先生方を招聘し、対面でのポスター発表を実施しました。

発表ポスターは以下からダウンロードできますので、どうぞご覧ください。

R6.5.17(金)3年SSクラス 課題研究発表会ポスター.pdf

審査の結果は以下の通りです。

最優秀賞 「日田のギギはどこから来たの?~急増する国内外来魚「ギギ」の由来と対策~」 (全国大会出場決定)

優秀賞  「合言葉はホギョギョ!(保護魚)~日田の希少種の「メダカ」が好む生活場所の確保~」

優秀賞  「宇宙での太陽光発電の実現に向けて ~静止衛星軌道と準天頂軌道の比較~」

審査員を代表して、大分大学の三次徳二教授から、「中間発表から、どの班も研究が深まっていて、大変楽しく聞くことができました。そしてどの班が全国大会に行っても戦える研究レベルでした。」とお褒めの言葉を頂きました。

また、他の審査員やオブザーバーの方には以下のようなコメントを頂きました。

  • ・どの班も、内容がよくまとまっていました。一旦一つの結論が得られたら、それをどのように発展、深化させるかを考えているのがすごく伝わってきました。発表もよどみなくできていたし、発表時間もぴったりと終っていて、すごく練習したことも伝わってきました。実物を提示している発表もあり、わかりやすかったです。
  • ・各班ともレベルの高い発表で、結果よりも取り組み方が良いと感じました。
  • ・中間発表会のときから,内容も発表も,とても良くなっていると感じました。生徒の皆さんの努力と先生方のご指導の賜物だと思います。ありがとうございました。
  • ・全員が、自信に満ち溢れた顔つき、声量で、素晴らしい発表でした。審査員の後ろで聞いていた生徒達にもはっきり聞き取れたと思います。

他にも、審査員の方には「コメントシート」という形で、各班に細かく指摘を書いて頂きました。それらをもとに、3年生SSクラスの生徒は今後、研究をさらに深めるとともに、研究論文にまとめ、成果の発信を行っていく予定です。

審査員の先生方、お忙しいところお越し頂き、大変ありがとうございました。

審査員 (五十音順)                   
 石松 亮一  准教授 (福井大学工学部) ※オンラインでご参加
 浦塚 雄介  校長  (日田市立三隈中学校)
 大津 俊一  指導主事(大分県教育庁 高校教育課高校教育指導班)
 甲斐 耕司  准教授 (大分大学教育マネジメント機構STEAM教育推進センター)
 藤原 秀彦  教授  (別府大学食物栄養科学部)          
 三次 徳二  教授  (大分大学教育学部)             
 森山 和浩  代表取締役社長 (日本フォレスト株式会社)

オブザーバー (五十音順)           
 塩月 孝弘  課長補佐(大分県教育庁 高校教育課高校教育指導班) 
 篠田 政明  指導主事(大分県教育庁 高校教育課高校教育指導班)
 仲野 将慶  教諭  (大分県立佐伯鶴城高校SSH推進部)
 ベルガー舞子 准教授 (立命館アジア太平洋大学言語教育センター)※オンラインでご参加
 山口 智司  指導教諭(大分県立佐伯鶴城高校SSH推進部)
 山田 誠司  教育次長(大分県教育委員会)

①「超音波洗浄 ~環境に良い洗濯とは!?~

洗剤を使わない3つの方法(水を浸す、洗濯機、超音波洗浄)で汚れの落ち具合を比較した結果、超音波洗浄が1番汚れが落ちることがわかった。

②「地産地消スポーツドリンクで熱中症を防ごう

日田特産の梨とスイカの2つでスポーツドリンクを製作した結果、梨の方が経口補水液に成分が似ており、スポーツドリンクに向いていることがわかった。

③「米の消費量を増やすためにできること ~米から手軽に美味しいパン作り~」

米粉ではなく生米からパンをつくる研究を進めた結果、生米から手軽に美味しいパンが作れること、生米パンは冷凍保存に向いていることがわかった。

④「合言葉はホギョギョ!(保護魚)~日田の希少種の『メダカ』が好む生活場所の確保~ (優秀賞)

日田市の希少種の生息を調べた結果、ミナミメダカを確認できた。そこでメダカが好む生息場所を研究し、「木工沈床」「塩化ビニルパイプ」の2種類を製作して比較した。

⑤ 「日田のギギはどこから来たの?~急増する国内外来魚『ギギ』の由来と対策~」 (最優秀賞)

日田市の河川の文献調査、魚類相調査をした結果、外来魚のギギが増加していることがわかった。さらに、ギギバーガーにすることで、ギギは食用可能とわかった。

⑥「ひと目でわかる魅力的なホームページの提案 ~データを活用した『魅力』の分析~」

魅力的なホームページの具体を、統計的手法で分析した結果、レイアウトと総合評価に相関があること、文字よりも写真の割合が高く、その枚数は4枚がよいとわかった。

⑦「水に浮かせて家を守る~来たる南海トラフ大地震に備えて~」

水に浮く家の耐震性能について、自作のモデルを通した実験で調べた結果、浮かせる水の量が多いほど、塩分濃度が高いほど家の揺れが抑えられ、安定することがわかった。

⑧「日焼け止めの効果時間の向上」

水と油の比による日焼け止めの効果について、汗がないと水分が多い方が、汗があると油分が多い方が効果が大きいこと、スギ活用の日焼け止めが製作可であるとわかった。

⑨「宇宙での太陽光発電の実現に向けて ~静止衛星軌道と準天頂軌道の比較~」(優秀賞)

宇宙発電する人工衛星軌道について研究した結果、受電アンテナを2枚にすることで、飽和状態にある静止衛星軌道に変わり準天頂軌道からも送電が可能であるとわかった。

⑩「宇宙食の可能性を広げる第一歩 ~菌を持ち込めないISSで発酵させる方法~」

ISSと類似した条件でヨーグルトの発酵の具合や味について研究した結果、牛乳に比べ粉ミルクの方が旨味、苦味、渋味の数値が大きく塩味の数値が小さいことがわかった。

⑪「宇宙飛行士が満足する宇宙食を目指して ~3Dフードプリンターで選択肢を広げる~

生野菜に対して、粉末の野菜(加熱乾燥、天日干し、フリーズドライ、温風乾燥)の味の変化を研究した結果、フリーズドライ及び温風乾燥は味の変化が少ないとわかった。

⑫「宇宙飛行士に安定した栄養を植物で ~宇宙農業への挑戦~

宇宙農業の可能性を模索し、自作の回転装置で無重力状態に近づける環境下での植物の生育状況を研究した結果、無重力空間でも植物が生育できる可能性があるとわかった。