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令和5年度1学期終業式 校長式辞

  令和5年度1学期終業式 校長式辞

「未来の自分を創造する夏にしよう」

今日は、一学期の終業日です。 

この一学期は、皆さんにとって、どのような学期だったでしょうか。

 

 今から 皆さんに2つのことを お話したいと思います。

 一つ目は 皆さんへの感謝です。

 この一学期は 新型コロナウイルスの対応が5類になり、通常の学校生活が戻ってきました。日頃の学習活動や部活動、学校行事や生徒会活動において活躍する鶴高生をたくさん見ることができました。   

 先の高校県体では、県体団体優勝をした弓道部とバドミントン部をはじめ、どの部も、日頃の練習の積み重ねを出そうと最後の最後まで一生懸命に戦っていました。野球部も、晴れ晴れとした素晴らしい行進を披露し、試合も最後の一球まで頑張っていました。文化部では、全国総文に進む放送部、書道部をはじめ、他の部も大会やコンクールに向け技術を磨いていましたし、新聞部の記事や文芸部の創作冊子も素晴らしかったです。一生懸命に何かに打ち込む高校生の姿にはいつも感動をもらっています。

 また、朝 校門や校内で 教多くの生徒が 笑顔で挨拶をしてくれます。 私も 気持ちが爽やかになり 元気をもらっています。皆さんの笑顔の挨拶は 学校全体に 明るい元気を届けてくれています。

 さらにもう一つ、皆は校舎をきれいに使ってくれています。本校は伝統校でありますが その分、見ての通り、校舎も古いところが多いです。トイレが暗かったり、廊下の床が剥げていたり、教室の壁や後ろの黒板が汚れているところもあります。それでも、膝を付けて床を磨いてくれており、トイレもしっかり掃除をし スリッパもきちんと揃えてくれています。掃除をすることは心も磨くと言いますが、本当によくやってくれていると思います。 今日も、美化委員会が普通教室棟の花壇に花を植えてくれます。 今、県に エアコンの取り換えも含め、トイレや教室の内部の改修を要望していますので 少しずつ 少しずつよくなると思いますのでそれまで、これまで以上に きれいに使用してくれると助かります。

 一学期の終わりに みんなの頑張りにありがとうと伝えたいです。

 

 二つ目に 学び についてです。

 今年度になり 学業に、意欲的に取り組む生徒が増えてきたと感じています。一学期の全教科の評定平均が90点を超えている生徒も複数出ましたし、欠点科目が全くないクラスがあったり、また、探究活動を積極的に深めたり、グローバル関連行事やスタンフォード大学講座で参加し、熱心に取り組む生徒の姿も印象的でした。

 しかし、併せて 皆さんと話をする中で、勉強の悩みを たくさん聞きました。

「勉強化進まない。宿題が多い。成績が伸びない。やる気が起こらない。勉強は嫌だ。」などなど。

皆も 知らず知らずに 口に出ていることも多いのではないかと思います。 

学びは やらされて感があるとうまくいきません。

やはり、主体的になって しっかりした目標と自分に合った学習法を持っているかが 重要なカギのような気がします。

 

 この1学期に 参考になったことがありました。それは、先月まで本校に留学していたドイツのマイケさんの姿です。17歳で たった一人で日本に来て、皆とほとんど同じ科目の授業を受け多くのことを学んで帰国しました。休日には、祭りや農作業、地域の食文化にもチャレンジして日本の文化を吸収していきました。将来は、救急医療の道に進みたいとの夢を持っているそうですが全校集会での最後の挨拶で、「社会のためにこれからも学び続けたい」という素晴らしい言葉を残していきました。

 私は、マイケさんの姿を見ていて 「自分の学びを確立している」と感心しました。学びを進めるには  しっかりした目的と目標を持ち、常に前向きに 物事を広く深く会得しようとする学びの姿勢を持つことが大切だと彼女に取組から感じることができました。

 今、社会の中では 世界の課題について「当事者観を持つこと」と「未来のために解決していくこと」が、求められてきています。皆さんがこれから挑戦する大学入試でも 近年 入試方法が変わりつつあり、基礎学力に加え、社会の現状に関心を持ち、課題を発見し、 探究し、人に関わり合いながら主体的に課題解決をしていこうとする学生が求められています高く評価されてきています。

 そのためには、若い時から、自ら視野を広げ、前向きに学び、行動していく力を身に付けておくことがとても重要です。そのためにも  早くから「自分の学びを確立してほしい」と思います。

 

 さて、いよいよ明日から夏休みです。いつもより自由な時間があり、自分を見つめたり、将来について考えたりすることができると思います。

 1,2年生は、高校生活の“ど真ん中”ですので、今一番やりたいことに一生懸命取り組んでほしいと思います。勉強だったり、部活動だったり、ボランティアだったり、趣味や習い事だったり、何でもいいから人生の中で今しかできないことに打ち込んで「学力」や「人間力」を高めてほしいと思います。

 3年生にとっては、この夏は進路実現の重要な時期です。これまで培った「学力」と「人間力」を基にして、大学での研究テーマやその先の仕事を考えながら、進学先を決め、自分の道が前進するように、「未来創造力」を高めてほしいと思います。

 この夏休みが 皆さん一人一人にとって「なりたい自分」を実現させる有意義な夏休みになるよう期待しています。真のライバルは、昨日の自分です。夏のひまわりのように太陽に向かってどんどん成長する夏にしましょう。二学期の始業式で、一段と成長した君たちを見ることを心から楽しみにして一学期終業式の式辞とします。

 

                   令和五年七月二十一日

大分県立別府鶴見丘高校

 校長 阿南典久