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第9回入学式 校長式辞

式 辞

 

 暖かく、爽やかな春の風がここ野口原を包む中、周囲の緑も鮮やかな季節になりました。

 

 本日ここに、別府市長 長野 恭紘様、大分県議会議員 嶋 幸一様、別府商工会議所会頭 西 謙二様をはじめとするご来賓のご臨席、並びに保護者の皆様のご列席を賜り、令和5年度大分県立別府翔青高等学校の入学式を挙行できますことは、本校にとりましてこの上ない喜びであり、衷心より御礼申し上げます。

 

 ただ今、入学を許可しました245名の皆さん、入学おめでとうございます。本校教職員を代表して、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 

  本校は、平成27年に 別府青山、別府羽室台、別府商業 の3つの高校を発展的に統合し、グローバルコミュニケーション科、普通科、商業科の3学科を有する、「別府翔青高等学校」として開校した、今年度で9年目を迎える学校です。校訓として、「自分で考えて行動し、他者への思いやりの心と誠実さを持つこと」を意味する『自主誠心』、「自ら進んで新しい知識や技能を習得し、独自のものを発展させ創造性を持つこと」を意味する『進取創心』を掲げるとともに、教育目標に「グローバルな視点と多様性を認め合う心の豊かな人間力の育成」を据え、変化の激しい多様な社会の中で主体的に生きる人間力、社会力、そして生涯にわたる学ぶ力を育成すべく、大学や企業、地域と積極的に連携しながら、生徒一人ひとりの輝く未来を展望する教育を進めています。

 

 皆さんは、今、この別府翔青高校の生徒として新たなスタートを切りました。これから三年間、授業や部活動、生徒会活動をはじめ、本校での様々な教育活動において、互いに切磋琢磨しながら、有意義な高校生活を送ってもらいたいと思います。

 

 本日の晴れの日に当たり、新入生の皆さんに考え、心に留めておいてもらいたいこととして二つの言葉を紹介します。

 

 まず、19(ジューク)という歌手の元メンバーで、現在はイラストレーターである中村ミツル氏の言葉です。中村氏の「人生は、かけ算だ どんなにチャンスがあっても、君が『ゼロ』なら、意味がない」という言葉をご存じでしょうか。これは、皆さん一人ひとりが持っている可能性を端的に表現したものだと思います。高校生活の中で皆さんに意識してほしいことは、「この別府翔青高校で、誰と出会って、何を学ぶのか」ということです。出会いの場は、クラスでの会話や授業であったり、部活動や生徒会活動であったり、あるいは学校外の方と触れ合う活動であったりするかもしれません。それぞれの場面には、何かしら自分自身を刺激してくれる「出会いと学び」のチャンスがあるはずです。そのチャンスが100あったとして、あなたが1なら出会いと学びは100ですね。あなたが0.5であれば50、100であれば10000といった具合に考えられます。その積み重ねこそ、充実した高校生活につながっていきます。逆に、あなたが「ゼロ」の状態であったなら、それは実にもったいないことだとは思いませんか。高校生活での「出会いと学び」に貪欲であってほしいと考えます。それには、他者と競うものではなく、たとえ1に満たなくても、あなた自身が少しずつでも前に進もうとする気持ちが大切です。それは自分自身を大切にすることでもあり、同じ感覚を持った存在として周囲の人も大切にすることにつながるでしょう。多くの出会いの中で、生涯に通じる友人をぜひ見つけてほしいと願います。

 

 二つ目の言葉として「悪戦苦闘能力」という言葉を紹介します。文字通りの「困難な状況の中で、苦しみながら努力することができる力」で、九州ルーテル学院大学客員教授であった大畑誠也(おおはた・せいや)先生がこれからの社会で必要な力の一つとして提唱しています。

 

 全世界的な新型コロナウイルスの流行は、変動性・不確実性・複雑性・曖昧性に満ちた世界をもたらしました。この4つの要素を英語にした時の頭文字をとって「VUCA(ヴーカ)」と呼ばれる時代が到来したと言われています。これまでの常識が通用しない場面に遭遇することが多くなってきており、課題発見とその解決の力が求められるようになっています。模範解答に沿うだけにとどまらず、問題や課題を見出し、その解決のための考え方や答えにたどり着くまでのプロセスを身につけていくことが必要になるのです。正解だけではなく、その場面で最も有効と考えられる「最適解」を見つけることは簡単ではないかもしれません。しかし、諦めてしまったらそこで終わりです。100回だめでも、101回目に道が開けるかもしれない。皆さんには、困難に直面した時こそ発揮される「もがく力」すなわち、「悪戦苦闘する力」を身につけてほしいと願います。

 

 長きにわたる新型コロナウイルス感染症も、現在は、感染拡大状況として落ち着いており、対策としてのマスク着用などは各自の判断に委ねられてきていますが、安全宣言にはいまだ至っていないことを踏まえ、油断することなく、根拠に基づき適切に対応しつつ、できることには積極的に挑戦する毎日を送ってください。皆さんが三年後、卒業する時に、この別府翔青高校で学んで良かったと思ってもらえるよう、私たち教職員はチームとして、全力で教育活動に取り組むことを約束します。一緒に頑張っていきましょう。

 

 保護者の皆様に一言申し上げます。本日のお子様のご入学、誠におめでとうございます。
 本日から大切なお子様を、責任を持ってお預かりいたしますが、学校教育が成果を上げるためには、ご家庭と学校の相互理解が大切になります。どうぞ、本校の教育活動に対しまして、ご理解とご協力を頂きますようお願い致します。

 

 ご来賓の皆様におかれましては、これまでにも増して、本校へのご指導ならびにご支援を賜りますよう、高い席からではございますがお願い申し上げます。

 
 結びになりますが、この別府翔青高等学校が、多くの方々からの信頼と期待に応える学校として飛躍し、新入生の皆さんの高校生活が実り多きものとなることを祈念して、式辞といたします。

 令和5年4月11日     

大分県立別府翔青高等学校

校 長  阿部  充