全日
普通科
全日
HOME > 学校からのお知らせ > 平成31年度 入学式 校長式辞

学校からのお知らせ

平成31年度 入学式 校長式辞
2019年04月10日

式 辞

 ただ今、入学を許可した第十五期生、一六〇名の皆さん、入学おめでとうございます。

 本校を代表して、皆さんの入学を心から歓迎します。

 校舎を囲む木々の緑が目に鮮やかな季節になりました。

 本日ここに大分県議会議員 尾島保彦(おじまやすひこ)様をはじめ、

 多くのご来賓の方々のご臨席、並びに保護者の皆様のご列席を賜り、

 平成三十一年度大分県立宇佐高等学校の入学式を執り行うことができますことは、

 本校にとりましてこの上ない喜びであり、衷心より御礼申し上げます。

 

 さて、この宇佐高等学校は、明治三〇年、一八九七年に創立された旧宇佐高校と、

 明治四十四年、一九一一年に創立された四日市高校の、

 共に古き伝統を誇る二つの普通科高校を統合し平成十九年に開校した、今年度で十三年目を迎える高校です。

「剛健 友愛 創造」の校訓のもと、一つになったこの高校には、宇佐市民からの大きな期待と

 熱い思いが寄せられています。

 そして、それに応えることが地域を代表する普通科進学校としての、本校の使命であります。

 皆さんは、今、その宇佐高校の生徒として新たなスタートを切りました。

 これから三年間、本校の先生方や先輩たちから色々なことを学び、教科学習や部活動、

 その他の様々な教育活動において、互いに切磋琢磨しながら、有意義な高校生活を送ってもらいたいと思います。

 そこで、今日の晴れの日に当たり、私から皆さんに考え、そして心に留めておいてもらいたいことを

 二つ述べたいと思います。

 その一つは「何のために学ぶのか。」ということです。

 皆さんはこれまで高校への進学を目標に学んできたと思います。

 それは高校生も同じで、宇佐高校の生徒たちも、それぞれが目標とする進路に向けて学んでいます。

 自分が目指す大学に合格するために勉強に励むことは素晴らしいことです。

 では「学ぶ」ことの目的は何なのでしょうか。目標ではありません。学ぶことの目的であります。

 

 私たちは、私たちの住むこの地球が丸いということを知っています。

 地球は丸く、その丸い地球は太陽に対して自転していること、

 そして自転しながら太陽を中心に公転をしていることも知っています。

 では、何故それを知っているのでしょうか。それは私たちが学んだからです。

 今この時この瞬間、地球が丸いこと、地球が自転し公転していることを私たちは実感できません。

 だから、もし私たちがそのことを学んでいなかったら、古代の人々がそう思っていたように、

 地球は平らで、その上を太陽が動いていると思ったのではないでしょうか。

 何のために学ぶのか。それは、思い込みや、偏見を排除して、自分が見たり聞いたりした、

 ただそれだけの認識から解放されて、自分の経験したことの向こうにある

 この世の中の真実、真理に近づくためです。自分がまだ知らない世界に立つためです。

 思い込みと偏見に囚われていては正しい理解はできません。

 正しい知識があって初めて、私たちは自由に物事を考えることができるのです。

 

 二つ目は「自分の生き方、在り方について」です。

 これからの時代は、人工知能やロボットが人間社会の中に登場して来ます。

 数年前、アメリカのスタンフォード大学が「今ある職業のうち約四十七%は近い将来なくなる。」

 というレポートを発表し、世界に衝撃をもたらしました。

 これを受けてか、これからの時代を「先行き不透明な時代」という社会学者もいます。

 しかし、逆に「先行きがはっきり見えた時代」というのが、これまであったでしょうか。

 私たちの人生も、自分の思う通り、計画通りに進むことはむしろ少なく、人は、

 その時々の予期せぬ事態、偶然の出来事にも、柔軟に対応しつつ、

 そのことを自分なりに肯定的にとらえ、且つ積極的な意味を持たせ生きているのです。

 自分を成長させる糧に変えているのです。それが人間の歴史なのです。

 

 仮に「先行き不透明な時代」であるとしても、そうした柔軟で、積極的・肯定的に対応する姿勢がある限り

 人は人としての輝きを失うことはないと思います。そのためには、自分を知ることです。

 自分は何を大切にし、どのようなことに生きていく上での価値を見出しているのか、それを探るのです。

 

 では、人の求める価値とはどのようなものをいうのでしょうか。

 例えば、人助けをすることに価値をおく人が居るでしょう。

 何かに挑戦し続けることに価値をおく人もいるかもしれません。人から信頼を得ることに、あるいは、

 何かを改革していくことに、真理や原理を探究することに、または、社会のためにモノづくりをすることに、

 人によって価値あることは異なります。勿論、これら一つ一つはとても大事なことですが、

 その中で自分が自己実現を果たすためにどれを最も大切にする人間なのか、それを探るのです。

 そのためには過去の自分と、現在の自分と、そして、将来の自分を対話させるのです。

 高校に入学するまでの自分を振り返り、高校生としての自分を見つめ、その上で自分の将来像を描くことです。

 皆さんの将来の姿は、きっとその延長線上にあるはずです。

 

 この宇佐高校には、学習だけでなく、部活動や生徒会活動、学校行事やホームルーム活動、

 地域探究学習やボランティア活動などの、様々な学びの場があります。

 皆さんがそうした活動に積極的に参加し、様々な人と出会い、色々なことを経験することを願ってやみません。

 十九世紀のアメリカの思想家にラルフ・ワルド・エマーソンという人が居ます。

 彼はこのような言葉を残しています。

 「行動に際して、あまりに臆病になったり、神経質なることがないように。すべての人生が実験なのだ。

 実験はすればするほどうまくいく。」と。

 そうです。皆さんの人生の歩みはまだまだこれからです。その歩みの途中で、転ぶようなことがあっても、

 それは自分から前に進もうとしたことの証なのです。  

 だからその歩みを私たちは応援します。

 そして、皆さんが三年後、この高校を卒業する時に、宇佐高校で学んで良かったと思ってもらえるよう、

 教育活動に全力で取り組んでいくことを約束します。一緒に頑張っていきましょう。

 

 保護者の皆様に一言申し上げます。本日のお子様のご入学、誠におめでとうございます。

 本日から大切なお子様を、責任を持ってお預かりいたしますが、学校教育が成果を上げるためには、

 ご家庭と学校の相互理解が大切になります。

 どうぞ、これからの本校の教育活動に対しまして、ご理解とご協力を頂きますようお願い致します。

 

 結びになりましたが、ご来賓各位におかれましては、ご多用の中ご臨席を賜り、

 誠にありがとうございました。この宇佐高等学校が、地域の期待に応え、

 地域を代表する高校としてあり続けるために、教職員一同、高校教育に全力で取り組む所存であります。

 これからも引き続き、本校へのご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、式辞といたします。

         

平成三十一年四月九日

大分県立宇佐高等学校 

校 長  辛島 信昭