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学校からのお知らせ

平成25年度入学式式辞
2013年04月09日

日本中に吹き荒れた春の嵐も収まり、本日は、穏やかな朝を迎え、いよいよ希望に胸躍る春の到来です。

大分県立佐伯鶴城高校第68回入学式にあたり、お忙しい中、来賓の皆様にご臨席を賜り、入学生保護者多数のご出席をいただき、かくも盛大かつ厳粛に式を挙行できますことに感謝し、厚く御礼申し上げます。

文武両道」の校風のもと、我が鶴城高校は、百有余年の歴史と伝統を誇る「県南の雄」であり、地域の進学指導の拠点校として、ますます発展を遂げておりますことは、皆様ご存知の通りでございます。

この3月に卒業を致しました生徒諸君も、一人ひとりが学校生活を意義あるものとする努力を続け、素晴らしい進学実績を挙げてくれました。

ただいま入学を許可いたしました240名の新入生諸君にも、ぜひ先輩の頑張りを見習って欲しいものです。また「初心忘るべからず」と言いますから、今の気持ちを持ち続け、鶴城での3年間を有意義に過ごしてほしいものです。

さて、皆さんは本日から、本校の生徒として第一歩を踏み出すことになりますが、学校生活はもちろん日常生活を送る上で、常に心がけてほしいのは、本校の校訓の「自治、信愛、剛健」の実践です。

「自治」とは、自らを治めると書き、高校時代に自らを律し、自己を確立する努力をし、様々な学校生活を通して、主体的行動を取れるように、自らを鍛えることです。

次に、「信愛」ですが、信愛とは、信頼して相手を大切にするということです。信頼できる友達を、鶴城高校で見つけ出し、同時に自分も誰かに信頼される友となる努力をしなければなりません。

3つ目の「剛健」とは、心と体の健康です。心身ともに発達するこの時期に、部活動や生徒会活動、学校行事に積極的に取り組むことが重要です。本校には文武両道の伝統が受け継がれていますので、先輩に倣い、勉強と部活動の両立に努めて下さい。

「自治、信愛、剛健」この3つの言葉を、常に忘れないように生活できれば充実した高校生活となることでしょう。

次に、「花、紅にして美なりといえども、ひとり開くにあらず。春風来たりて初めて開くなり」という言葉を贈ります。春は美しい花々が目に付く季節ですが、花は勝手に咲くのではなく、春風によって開く時(タイミング)を知って咲くのだという道元禅師の教えです。

人生において美しく花を咲かそうと思っても、自分の力だけでは足りません。支えてくれる家族や友人の存在を、欠かすことが出来ないことは君たちにもわかるでしょう。自分の周りの環境をうまく生かすことの必要性を言っているのですが、君たちが鶴城という環境を選んだのは、決して間違いではなかったとすぐに気付きます。そうだからこそ、この環境の中で、君たちには自分の花を咲かせるための準備を始めてほしいのです。

ただ「光陰矢のごとし」、「歳月人を待たず」と言います。限りある人生、それも青春時代まっただ中の高校生活を、無自覚に送るのでなく、努力を怠ることなく、常に向上心を持って何事にも前向きに取り組む必要もあります。

鶴城の生徒は、素直で明るく、礼儀正しいと地域の方々にほめていただくのですが、それは自他の存在を認め、互いを支えあい、助け合うことの大切さを認識しているからです。これは鶴城の校風であり、皆さんにも受け継いでもらうことの一つです。

しかし、そのことと自分の夢や目標を叶えようと、主体的に人生の基本設計をし、自分の道を歩んで行くというのとは違います。高校生活は自分の知性を磨き、己の人格を形成する場でもあるからです。

教育の一つの在り方として、「個性化」という言葉が使われますが、個性をいかに発揮するかというより、「自分らしさをどう創り出すか」です。鶴城生としての日々を送る中で、自分自身をどのように輝かせていくかが問われます。

サマーセット・モームは、「人間の絆」という小説で、「人はそれぞれに自分なりの人生模様のある絨毯を織っている。それは世界にたった一つしかないものだ。」と書いています。私は、その人生模様、基本的なデザインを描くのが高校生活だと思うのです。

絨毯ほど強くはなくても、織物のひとつタオルや手ぬぐいなどは、縦に裂いて緊急時に包帯代わりにできますが、どんなに力を入れても、横に裂くことはできません。それは、縦糸が頑丈だからです。

高校生活を絨毯に喩えるならば、縦糸は君たちが日々励む勉学であり、部活動や生徒会活動などの特別教育活動は横糸かもしれません。また、横糸には、先生方や友だちとのふれあい、自分の趣味や特技などを伸ばすことにより、模様が織り込まれていきます。高校生活を通し、丈夫な縦糸を紡ぎ出し、そこに「自分らしさ」を横糸の模様にして、世界にたった一枚の素晴らしい絨毯を編んで行くのです。

新しい生活への戸惑いや不安もあるでしょうが、幸いなことに、この学校には、君たちが絨毯を編む作業、夢を実現させようとする営みを正しい方向に導く、優秀な先生方が揃っています。そして今日から共に歩みを始める仲間がいて、手本とする素晴らしい先輩もいます。

新入生諸君、鶴城高校の更なる発展のため、君たちの力を貸して下さい。この鶴城で夢を達成させるため、若さと情熱で大いなる挑戦をし、自分の可能性を様々な角度で試してみようではありませんか。

最後になりましたが、保護者の皆様方には、お子様のご入学を心からお祝い申し上げます。本日より確かに、お子様をお預かり致します。私ども鶴城の教職員一同は、お子様が立派に成長し、自立するために労を惜しまずお世話致しますことを、ここにお約束申しあげて式辞と致します。

   平成25年4月9日

大分県立佐伯鶴城高等学校

校 長 甲 斐 直 彦

 校長通信入学式式辞.jpg

左、馬場の松、右に桜並木 『鶴城通』