全日
普通科
全日
HOME > 学校からのお知らせ > 『心の絆』(校長通信)第35号『みんな元気?』「前略、信州より」

学校からのお知らせ

『心の絆』(校長通信)第35号『みんな元気?』「前略、信州より」
2012年12月13日

感謝」の気持ちが大切だと先週は書いた。信州にいる2年生諸君は、修学旅行に送り出してくれた家族に、感謝する必要がある。家族のありがたさを身にしみて感じてくれていると信じたい。逆に言うと、家から離れるのも、家族のありがたさを知るには良い機会なのかもしれない。引率の先生方は、大変なようだ?

さて、『ツナミ』以外に、『オックスフォード英語辞典』に載っている日本語は、どれ?という問題の答えだが、正解は全部。『過労死』も『改善』も『カラオケ』も世界語なのである。正解者はどれくらいいたであろうか。この語以外には、『SUSHI』や『JUDO』も入っているに違いない。

今週は、2年生と一緒に修学旅行に来ているのだが、その中にアミリアがいる。彼女の日本語への適応力には恐れ入る。最近、彼女が書いた二本の作文のコピーがここにある。国語科の先生にいただいた。「日本の生活の中で私が思うこと」と「チェコと日本の学校教育について」がテーマの作文なのだが、これが素晴らしいので、ぜひ君たちにも読んでもらいたい。

「チェコ語は世界一むずかしい言葉と呼ばれている。ケースと言うルールがある。言葉は十四個がある。チェコ人が昔のルールを書いて、今までちがいはほとんどない。日本語は昔とルールがぜんぜんちがう。大昔の本は中国語!言葉も漢字も。だから日本の授業はもっと楽しい。新しい事を知って、えらくなる。(中略)日本では毎月『大試験』がある。一回落ちてもがんばったらいい。(中略)日本ではみんなサラリーマンか妻になりそうだ。学校は大学への道しか見せる。チェコでえらい人は大学に行かなくて、やさい屋になっても、えらい。(以下略)」

僅かな期間で、これほどの文章が書けるようになったのは驚きだ。彼女から、そして彼女の書いたこの文章から、私は沢山のことを学んだ。言葉を知り、言葉を学ぶこと、つまり勉強して新しいことを知っていくことは楽しいことだということ。「日本の授業はもっと楽しい。」『もっと』は、比較級なら、大変楽しいという位の意味だと理解してはどうか。

えらい』という語にも、彼女なりの使い方がある。賢く、人間として立派だという意味で使っているのが解る。そして、『えらい人』は大学を出ているとか、学歴で決まるのではなく、人のために働ける人のことだと言う。「一回落ちてもがんばったらいい」のだ。

勉強とは、ちょっとだけ無理して頑張ること」だと、事有る毎に言ってきたつもりである。ここに紹介したアミリアの作文には、一切手を加えていない。漢字もこれだけ修得している。「新しいことを知って偉くなる」。我々も、新しいことを知るための努力を怠ってはならない。「アミリアはえらい!」負けられない。

校長通信No35の1.jpg 信州より

ぞうさん/ぞうさん

おはなが ながいのね

そうよ/かあさんも ながいのよ

ぞうさん/ぞうさん

だあれが すきなの

あのね/かあさんが すきなのよ

君たちも良く知っている「ぞうさん」であるが、御年103歳の詩人、まどみちおの詩である。まどさんの詩が大好きで、クラス担任をしていた頃は、クラス通信に詩を紹介した。詩をいかに解釈するかは、各人の自由であり、それが詩の魅力でもある。

この詩から君たちはどんなことを知ったであろうか。先週、私が出張(全国高文連研究大会)で行った山口県の下関は、これもまた、君たちに馴染みのある、詩人金子みすゞゆかりの地である。その大会で金子みすゞの詩を朗読し、メロディを付けて歌うちひろさんの公演を聴いた。その際に「ぞうさん」こそ、見えない物を見る力、想像力がないと書けない詩だと教えられた。金子みすゞの詩も同様に、思いやりの心、他者、いや他物(人間以外の生き物や存在する全ての物)への優しさがなければ読めない。

雪景色 「積もった雪」旅行3-9「ゲレンデ」

ここ長野から、佐伯へ「思い」を届けよう。(12/13)