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学校からのお知らせ

『心の絆』(校長通信)第13号『夏が来た!』「最初のペンギンになれ」
2012年07月04日

「生物の長い歴史は、どこに食べ物があるのかが分からない状況での生存競争の歴史、コンビニに行っても食べ物がない事態がいつ訪れるか、誰にも分からない。」現在の人類が置かれた『不確実性』の時代を象徴する文である。

脳科学者茂木健一郎さんの評論文で、タイトルは「最初のペンギン」、先週この続きは次号でと予告したので紹介するが、人間も地球上に生息する野生動物の一種であると自覚してから読んでほしい。

「水族館などで、ペンギンが水辺をうろうろしているのを目撃したことがあるかもしれない。水の中に飛び込むそぶりを見せながら、なかなか飛び込まない。飛び込むかと思うと、やめてしまう。お互いに『お先にどうぞ。』とばかりに譲り合っているように見える。ほほえましい光景にも思われるが、あのようなペンギンの振る舞いの背後には、自然界における生存をめぐる厳しい条件が隠されている。」

君たちが少し想像力を働かせると、『最初のペンギン』の意味もわかる。水族館のペンギンには、野生動物としての習性が受け継がれている。海の中に潜む敵を恐れる気持ち(自分が餌になる危険性)と、飛び込んで餌の魚を捕らなければ生きていけないという、生存のための葛藤(ジレンマ)がそこにはある。

続きはこうだ。「いつまでも飛び込まずにためらっているわけにもいかない。いつかは冒険を冒してでも海の中に飛び込まなければ、餌を捕れずに死んでしまう。餌が捕れるか、それとも食われてしまうのか、避けることのできない不確実性のもとで、いつかは決断を下し、飛び込む・・・海の中に真っ先に飛び込む『最初のペンギン』がいるからこそ、群れ全体にとっての事態が切り開かれるのである。」

そう考えていくと、『最初のペンギン』の決断力や生きていくための勇気が欲しくなる。見習う必要もありそうだ。群れ全体ということでいうと、『最初のペンギン』には、群れを思う『』もありそうだ。

私の辞書には見つからなかったが「First Penguin」は、勇気を持って新しいことにチャレンジする人のことを指すそうである。君たちがこれから進む未来にも、この不確実性の海が、大きく広がっている。その海に向かって、いつまでも飛び込まず(航海に乗り出さず)ためらっているというわけにもいかない。

小さな決断は、我々の日常生活にもつきまとう。進路決定にしてもそうだし、昼の弁当のおかずに嫌いな物が入っている時、①(我慢してでも作ってくれたお母さんのために)「食べる」②(悪いけど)「残す」③(このおかずを好きな友達に「食べてもらう」こんなふうに悩むのも一つの決断かもしれない。小さな問題から、人生を決める大事な決断にも、確実な答えなどない。自分で決めて、自分で歩んでいくしかない。

人生においては、うまくいくことの方が少ないと思った方が無難だ。失敗したり、時には泣いたりすることがあっていい。それが生きていく者の宿命だからだ。(私も5つの大学、10以上の受験に失敗した。)

茂木さんの文章から、人間だけでなく、生物は皆、不確実性の中で生きていることを教えてもらった。人生で、あるいは生きていく上で、不確実さを避けてはならないこと、確実な答えなどある訳がなく、確実な答えがあると思い込むことのほうが危険だという。続きはあるが、今回はここまで。

校長通信No13.jpg  「夏が来た」

前に紹介した、校長室「緑のカーテン」である。ご覧のように、美しい花を咲かせてくれた。今週末には『七夕』もやってくる。生徒会が校内に笹を設置し、クラス毎に短冊で飾り付けをしている。日に日に、短冊も増え、彩りも鮮やかになってきた。次回は、この『七夕飾りベスト1』を紹介してみたい。

最後になったが、野球部にも勝負の夏がきた。私の紹介した『最初のペンギン』を読んで、何か感じ取ってくれたら嬉しい。「勇気を持って新しいことにチャレンジする」最初のペンギンだと、誰が名乗りを挙げてくれるか楽しみである。「おれだ。オレだ。だ。」

中・高合同公開授業で、中学の先生方に君たちの頑張る姿を見ていただいた。夏はチャレンジの季節でもある。これからも成長して大きく羽ばたく姿を、機会ある毎に見ていただけたらと思う。 (7/4)