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学校からのお知らせ

『心の絆』(校長通信)第33号 『期末考査終了』 「心の目を持て!」
2011年12月01日

december.jpg(12/1s朝)

金色の小さき鳥のかたちして

銀杏散るなり夕日の丘に」(与謝野晶子

あまりに銀杏の葉がきれいなので、デジカメを片手に撮ってきた。晶子の見た夕日の丘ではなく、朝の風景である。校内にも銀杏の樹はあるので、君たちもこのような光景を見たというかもしれない。金色は、『こんじき』と読んでも『きんいろ』と読んでも構わない。空中を舞って降りてくる銀杏の葉を、金色の鳥に喩(たと)えた作者の想像力を素晴らしいと思う。

先週号では、最後に「ひとり、灯火のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる。」(兼好)を紹介した。今週は期末考査があったので、なかなか読書三昧という人は居なかったかもしれない。しかし、読書の楽しみは、この文章によく表わされている。鎌倉時代の法師が、秋の深まりゆく中で、夜な夜な様々なジャンルの本を読み、そこから得た知識や自分の体験を活かして、「徒然草」を書き上げた。書物は他国(中国)の物や、昔(鎌倉時代からみてそれ以前になる)の書物を通して、鬼籍に入った人(故人)とも友達になれるという。ここにも『想像力』が大きく関わっている。

読書と言えば、クイズも出した。「いちばんたいせつなことは、目に見えない」が出てくる本は?であった。答えが届いたので、紹介する。

「『星の王子様』だと思います。(私はまだ読んだことがなくて、思いつかなかったので、調べてみました。)題名は何度も聞いたことがあるのに、内容は全く知らなかったので、この機会に読んでみようと思います。読書と言えば、最近『風をつかまえた少年』を読みました。発展途上国の状況にも驚かされましたが、学校を中退して独学で風力発電を作り上げたウイリアム・カムクワンバさんを本当に尊敬します。『何かを実現したいと思ったら、まずはトライしてみることだ。』という彼の信念を見習いたいです。」

ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない

家や、星や、砂漠を美しくしているものは、目には見えないね!

たいせつなことは、目では見えない・・・

などというように、繰り返しこのフレーズは出てくるのだが、星が美しいというのは理解できるかもしれないが、家や砂漠がなぜ美しいかは、本を読んでみないと分からない。ちなみに「砂漠が美しいのは、井戸をひとつかくしているから」だそうである。題名から、この本は小さい頃に読むべき本、つまり童話か絵本のように思われがちだが、大人になりかけた君たちが読むのにふさわしいのではないかと思うので、こうしてお勧めする。親子で読むというのも良いのでは。

答えを寄せてくれた人が書いてくれた「風をつかまえた少年」は、私がこの通信でも取り上げたので、図書館が購入してくれた。こちらの方もどうぞ。

今日のキーワードが何か、ここまで読んでくれた人は、多分気づいてくれたと思う。「想像力」(イマジネーション)の大切さである。星の王子さまで言えば、「心」で物事を見ようとすることかな。

たいせつなことは、目に見えない」この言葉を通して、君たちはどんなことを考えるか。私はこのテーマで通信を一枚書き上げた。3年生で小論文を練習している人は、文章を書くことにトライしてみてほしい。

期末考査最終日である金曜に、全校集会を持ち、その中で表彰伝達を行うが、そこでも読書感想文やコンクール等の表彰をする。文章を書くことは、人間の表現活動の重要な手段の一つである。本を読むという人間の営みは、自分と向き合い、自分自身を知ること。自分を見つめることで、やっと他の人を理解できるようになる。読書は人の心を耕してくれる

ともあれ、この通信を手にする時には、嫌なテストから逃れられた開放感で一杯かもしれない。2年生にとっては、待ちに待った『修学旅行』も間近。

インフルエンザに罹ったり、スキーで骨折したりして、楽しい旅行が台無しにならないように、想像力を良い意味で働かせてほしい。先生の指導、親の忠告などを聞く耳が必要である。自分の行動は、全員に影響を及ぼすという集団行動における自覚が必要になる。それを学びに修学旅行に行くのだ。 (12/2)