全日
普通科
全日
HOME > 学校からのお知らせ > 『心の絆』(校長通信)第5号 「G・W進行中」『スポーツの持つ力!』

学校からのお知らせ

『心の絆』(校長通信)第5号 「G・W進行中」『スポーツの持つ力!』
2011年05月02日

部活へ入ろう」と前に訴えたが、東日本大震災についても、入学式宣誓の冨高さんの言葉を引用して、思いを述べた。『スポーツの持つ力』について、震災と結び付けた次のような文章を見つけたので、全文を引用する。『朝日新聞』5月2日付けの「天声人語」。

励ましの形は一つではない。声をかける、手紙を書く、肩を抱く。芸能人やアスリートなら仕事ぶりを見せることで人を元気づけられる。ただし、スポーツで「魅する」には結果が必要だ▼モスクワであったフィギュアスケートの世界選手権で、安藤美姫選手が立派な仕事をした。五輪女王、金妍児(キム・ヨナ)選手を逆転しての栄冠である。3月に東京で予定され、震災で会場を移した大会だった▼胸に「甦(よみがえ)れ日本!!」のワッペンをつけた安藤さんの言葉がいい。「自分のことより日本のことを考えて滑りました。震災で困っている人が少しでも笑顔になれるように」。そう話す顔に笑みはなかった▼野球では、楽天が地元仙台での開幕3連戦を勝ち越した。初戦で完投した田中投手は「声援がこれほど力になったことはない」「(試合が)終わってしまうのがもったいなくて」と語り、歴戦の星野監督に「野球人生に残る1勝」と言わせた▼サッカーのベガルタ仙台もホームでの初戦を飾り、リーグ2位につけている。「がんばろう東北」だけで白星が続くほどプロは甘くないが、声援とプレーの化学反応は侮れない。楽天とベガルタは、今季の「想定外」として評論家を困らせてほしい▼有名無名を問わず、東北を思いながら生業に励む人は多い。被災者の忍耐、自衛隊や自治体職員、原発作業員らの献身に打たれてのことだろう。国会も休日返上の論戦ながら、ヤジと言い逃れが耳についた。政治家ぐらい結果を求められる仕事もないのだが。

全文わずか700字余りで、これだけの内容が込められている。私は、毎回約3倍の文字数を使いながら、なんと締まりのない駄文を書いていたことか。それとともに、選手が、自分の成績で自分の『思い』を伝えられることを知った。「魅する」術(すべ)を持つアスリートの持つ力、影響力の強さを感じた。

安藤選手は、「不安な気持ちで試合に臨むなど、ちっぽけなこと。日本のことを考えたら強い気持ちになれた」と。8歳で父親を亡くした彼女は「規模は全然違うが、家族を亡くすことがどれだけ大変なことか」「スケートと父親を交換した。そのスケートで、被災者に笑顔を送れたらいい」(『読売新聞』)と語る。

このことを通し、我々一人ひとりも「自分にできることはなにか」を考えてみたい。スポーツでなければならないかというと、勿論そんなことはない。「ペンは剣よりも強し」は、大分が生んだ偉人、福沢諭吉の言葉。新聞記事は勿論、文化欄の短歌・俳句などに投稿された作品を見ていると、震災に遭われた方への、メッセージも多い。今週の『読売新聞』の歌壇・俳壇では、選者が一番目に選んだ句や歌が全て震災を詠んでいた。日本中の人が、今この震災と向き合っている。

春旱(ひでり)発つ人缶詰置いていく

ラジオより買い出し情報鳥帰る

我が影は麦踏みしたる頃のまま

燕来ぬ地震に傾きたる家に 以上が俳句

九日ぶり救出されし少年は夜空の星の美しさ言う

「ままへ。いきてるといいね」の新聞の四歳の子の手紙に泣ける

呆けても「我は海の子」歌いいし母の故郷は南三陸

不意の雨その一点に役立とう僕はあなたの置き傘になる 以上が短歌である。

最後の短歌に心を打たれる。「不意の雨」とは、震災のこと。作者の震災に遭われた「あなた」に対する、「置き傘」になる決心である。「置き傘」の意味がわからない人は、誰かに訊くといい。私の言った「自分にできることはなにか」が、君の「置き傘」になる。震災者の行動に、驚きと賞賛の声が挙がるが、「我先に」ではなく「他を先に」と、他人のことを思いやれるのが、日本人の美徳、「置き傘」だと思い知る。

G・W真っ最中、課題に取り組みつつ、鶴城生は、部活動でも力一杯頑張る。弓道支部大会と陸上県選手権の報告があった。「頑張れ」でなく「がんばろう日本」だし、「がんばろう鶴城」だ。  (5/2)