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校長室

第45回卒業式・式辞
2020年03月01日

式 辞

 凛として咲き誇った梅が、一気に春を呼び寄せ、心地よい暖かさを感じる季節となりました。

 本日ここに多く保護者の方々のご臨席を賜り、大分県立大分雄城台高等学校 第四十五回 卒業式を挙行できますことを衷心より感謝申し上げます。

 ただいま、卒業証書を授与しました二百三十七名のみなさん、卒業おめでとう。

 三年間の高校生活を無事に、そして、かけがえのない青春を充実させるべく本校の校訓「誠実 自主 創造」のもと、研鑽の日々を積み重ね、本日、立派に卒業の日を迎えたことに、心から敬意を表し、祝福を贈ります。

多くの友と机を並べ、喜び、悩み、時に涙し、みんなで笑い、学んだ思い出が、今、鮮やかによみがえってくることでしょう。

 この3年間を振り返ると、入学早々、校内で厳しい合宿が行われました。緊張感に満ちた高校生活が始まったばかりの中、皆さんにとって最初の試練ともいうべき行事だったのではないでしょうか。しかし、この合宿の意味を一人ひとりが、よく理解し、出会ったばかりの四十五回生同士に強い絆が生まれたことは間違いありません。

きびしい勉強でも、お互いに教え合い、助け合い、励まし合う言葉を、よく耳にしました。

部活動では、切磋琢磨する中、レギュラーになれなくても全体を陰で支えることの大切さをよく知っている学年だと感じています。

 また、体育大会では、四十五回生を中心に素晴らしい結束力を見せ雄城高生らしい颯爽とした応援団を作ってくれことに感動しました。その他クラスマッチ、思い出深い修学旅行など、友と語らい、さまざまな人たちと出会い、多くの経験を積み、固い絆で結ばれた四十五回生の高校生活三年間は、みなさんの中で、血となり、肉となって息づいています。

 中国の詩人杜甫の詩の中に「英姿颯爽(えいしさっそう)」という言葉があります。

杜甫がある絵を見て、その絵を描いた人物の、精神までも描き切っていることに感動し、その姿を「英姿颯爽」という言葉で表しました。

その人物の内在する価値観や精神が堂々たる姿として、また勇気にあふれ立派で爽やかな形となって、表れている様を、杜甫は、このような言葉で表したといわれています。

学校内外から多くの期待を寄せられる雄城高生。その期待を背負い、三年間、毎日雄城坂を登り続け卒業を迎えた諸君の姿はまさに「英姿颯爽」そのものだと思います。

諸君の、それぞれの苦しみや辛さを乗り越え、楽な生き方を選ばず、自分が志す理想を求め、自分を磨く、その「英姿颯爽」とした姿は後輩たちも忘れることはないでしょう。

 今、令和の時代を迎え、私達は大きな変革の時代に生きようとしています。

国内では、人口減少による社会構造の変化、IoT化とともに持続可能な社会への移行など、変化のうねりが押し寄せています。また、国際社会に目を移せば、地球規模の環境問題は、社会生活を脅かす、一刻の猶予もならない問題です。世界各地での内戦やテロなどの国際情勢や経済は、「不安定さ」、「不確実さ」、「複雑さ」、「曖昧さ」を持って、変化の波として押し寄せていると言われています。

次の世代に積み残した課題は、多くかつ深刻ですが、歴史に学べば、どんな時代でも若者が現状を打破するエネルギーとビジョンを持って、時代を変化させてきたことも事実です。

 時代の大きなうねりの中で、それを敏感に感じ取った江戸時代の末期の若者たちに、吉田松陰は「志を立てて以て万事の源と為す」と説き、その若者達は環境に甘んじることなく、確固たる意思と美しい志を持ち、その目標達成のために、いかなる努力も厭わない人間となりました。そして、その若者たちは、常識を覆す発想と行動力を生みだし、いつ訪れるか分からないチャンスを、ものする活力を生み出していきました。また同時代、吉田松陰、西郷隆盛などに大きな影響を与えた人物である佐藤一斎(さとう いっさい)は、その著書「言志禄」(げんしろく)の中に「志を立て、これを求めれば、たとえ、薪を運び、水を運んでも、そこに道はあって、真理を自得することが、できるものである。まして、書物を読み、物事の道理を窮めようと専心するからには、目的を達せないはずがない。」と力強く説いています。

 いまこそ、皆さんはどんな境遇であろうとも、「志」を忘れないで欲しいと思います。「志」あるものが世界への扉を開いた時代が、あったように、今、そのような時代が君たちの目の前にあり、その未来は君たちに託され、君たちによってその未来の扉は開かれようとしています。

 卒業生諸君には、高い志と確固たる意志をもち世の中の発展に貢献し、理想とする社会を実現してもらいたいと思います。そのためには、これからも、必要な能力や教養を身につけ、誠実さ、寛容さを磨き、品位ある人格と思想を形成することを願っています。そして、それらが「英姿颯爽」たる姿となって体現し続けることを願っています。

 

 最後になりましたが、ここで保護者の皆様にお祝いとお礼を申し上げます。本日、ここにお子様がめでたく卒業されますことを心よりお慶び申し上げます。

この高校三年間は、勉学や部活動に忙しくも、人生の中で充実した時期であったと思います。同時に、今後の進路選択や将来について思い悩む、苦しい時期でもありました。それを間近で見守る保護者の皆様にとりましても、心を痛める日々もあったのだろうとご推察申し上げます。そのような中、長きにわたり本校の教育に、ご理解とご協力を賜り、PTA活動として大きな足跡を残していただいたこと、そして、この三年間、啐啄の機をもって、お子さまの成長を後押しして頂いたことに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 さて、高校を卒業して新たな人生という旅に出るみなさんにとって、これから母校は自分の原点を再見する、かけがえのない場所となるはずです。そのような母校、大分雄城台高校で学んだ君たちを、今まで支えていただいた多くの同窓生、地域の皆様に改めて深く感謝するとともに、その熱い思いに応えられるよう、同窓生の一員として、母校、並びに地域をしっかり支えてもらいたいと思います。

 これからの生き方が、これまでの人生の価値を決めます。まことの道を求め、時代の先駆として、未来を切り開いて欲しいと思います。

 力強い一歩を踏み出す二百三十七名の未来に幸多かれ、と心から祈りつつ、式辞と致します。

 

令和二年 三月 一日

大分県立大分雄城台高等学校

校長 酒井 達彦