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学校からのお知らせ

◇PTA新聞(12月) 校長寄稿
2017年01月04日

「思いは招く」

 「思いは招く」これは、北海道の地場企業である植松電機専務取締役の植松努さんが、中学時代に落ち込んでいる自分に向けられた母親からの励ましの際の言葉だ。「心から思っていればその思いが夢の実現へと導いてくれる」という意味なのだろう。実現したい夢をあきらめずに、それへの思いを持ち続けることの大切さ語ったものと言えそうだ。少なくとも植松さんは自分の「思い」を手放すことなく、宇宙への夢=自ら作ったロケットを飛ばすこと、を実現する。
 冒頭のテーマでの植松さんの講演を聴いたのは今年5月のこと。植松さんは北海道の地場企業を経営しながら、ロケットを飛ばすという自らの夢を実現した人物として有名で、著書も多いし社業の傍ら講演活動もやってらっしゃるので、知っている人も多いだろう。ユーモア溢れるエネルギッシュで明快なお話に魅入られる人は数あまた。私もそのうちの一人だ。
 植松さんの話のもう一つのキーワードは「どうせ無理」。子ども達を巡る様々な場面で、時に子ども達から、或いは大人からも発せられる言葉だ。挑戦しないことの言い訳でもあるし、自らの可能性と引き替えに楽な道を選ぶ言葉でもある。我が国の子ども達の自己肯定感は諸外国に比べて低い、と言われて久しいが、「どうせ無理」という言葉はそれを象徴しているかのようだ。
 「現実は厳しい」「世の中は甘くない」などの大人からの言葉(むろん親心ではあるのだが)を聞いて育っていく子ども達は、いつしか夢の実現に「どうせ無理」というあきらめの心情を重ねていく。子どもの頃に抱いた夢が、年齢を重ね現実を知るにつれ色あせてしまうのは世の常と言われる。確かにそういう一面はあるだろう。けれど、未来を生きる子ども達から「どうせ無理」という言葉ばかりが発せられる世の中もどうなのかと思う。昨今の人工知能やロボット技術など、一昔前では不可能と思われたことが、最新のテクノロジーにより現実のものとなっていることは多い。挑戦を続け「どうせ無理」を突破した結果だ。
 子ども達から「どうせ無理」が発せられたとき、大人達はどう対応するか。「だったらこうしてみたら」と声かけして欲しい、と植松さんは言っておられた。「こうしてみたら」をどう具体的に伝えることができるか、人生の先輩である大人の責任として真剣に考えてみる必要がありそうだ。                 

校長  髙畑 一郎