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学校からのお知らせ

◇第2学期終業式 校長式辞
2017年01月04日

2学期終業式 校長式辞   

 早いもので夏の暑い最中に行った始業日から4か月。最も期間の長い2学期の終業式を迎えました。今日の挨拶では、最初に「禅」(仏教の中の禅宗と言われる宗派)の言葉を紹介します。  

 脚下照顧(きゃっかしょうこ)

 よくお寺の玄関などに掲げられている言葉で、見かけたことのある人もいるでしょう。直訳すれば、「自分の足下を照らしてみよ」という意味ですが、「自分の行いをよく見なさい」「自分を見失ってはいけない」という戒めでもあります。転じて「履き物を揃えて脱ぎなさい」と意味で使われてもいます。

 例えば、トイレのスリッパ。学校でトイレを利用しない人はいないでしょう。スリッパはどう脱いでいますか。次に使う人のことを考えて向こう向きにきちんと揃えられたスリッパは気持ちが良いものです。一方で、ばらばらに脱ぎ捨てられたスリッパはどうでしょう。次に使う人は困りますし不快な感じをもつことも多いでしょう。昨日、試しに学校中のトイレを見て回りましたが、きちんと揃えられたところもありさすが南高生と思いましたが、残念ながらひどく乱雑に脱ぎ捨てられたところもありました。

 ここで言いたいことは、たかがスリッパの向きではないということです。「スリッパの向きは心の向き」なのです。乱雑にしている人は、次に使う人のことを考えていません。次の人のことは知ったことか、次の人が自分で揃えて履けば良い、と思っていることに他なりません。それは、自分さえ良ければ他人のことはどうでもよい、という利己的な生き方に繋がります。社会や学校が利己的な人間の集団であって良いわけはありません。それでは、学習でも部活動でも本当の意味での良い成果を残すことはできませんね。

 私は高校時代、弓道部でしたが、顧問の先生から道場の履き物をきちんと揃えることを口酸っぱく教えられました。ほんの少しでも履き物が整っていないと必ず叱られました。当時は「そこまで言わなくても」と思うときもありましたが、大人になってその大事さが分かってきました。つまり、履き物を整えることは、心が整うことに通じるということです。心が乱れないということです。乱れないからいわゆる「平常心」でいられるのです。弓と矢を手に持ち的に向かうとき、この「平常心」がいかに大切か、弓道ばかりでなく他の武道やスポーツなどもそうでしょうし、ひいては人生の場面場面で自分を見失わないことに通じると思っています。

 このように、「脚下照顧」という言葉の真意は深いところにあります。我が身、我が心を振り返り、自分を客観視すること。そして、そのことをとおして心の乱れを整え、正しい心を手に入れること、にあると言えるでしょう。

 学期末そして年末にあたって、この「脚下照顧」を心がけて欲しいと思います。自分の足下、つまりこれまでの自分自身を振り返り、心と行動を整えて新しい年に臨んで欲しいと思っています。

 明日から冬休みになります。慌ただしい年末年始ですから、交通事故などに遭わないよう、またインフルエンザがはやっていますので、健康管理には気を付けて元気に過ごしてください。大学進学を目指している三年生にとっては一層大切な時期です。センター試験に向けて平常心を保ち、今やるべき事に集中し、この期間を有効に過ごしてほしいと思います。

 以上、2学期終業式の式辞とします。

                            平成28年12月22日   校 長  髙畑 一郎