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校長室

6月校長講話「新しい価値の創造」
2020年06月17日

 6月15日(月) SA校長講話「新しい価値の創造」全文

  

「新しい価値の創造」

 

 学校が通常登校に戻って2週間が過ぎました。皆さんも生活のペースを取り戻しつつあると思います。しかし、コロナウイルス感染症は、まだ私たち身のまわりに潜んでいます。お隣の福岡県では、いまだに新たな感染者が出続けている状況です。決して気を抜かずに「新しい生活様式」を実践してもらいたいと思います。

 さて、今、美術科のデザイン室の前に『密だけど、実は密じゃない』という作品が展示してありますが、もうご覧になりましたか。この作品は、ソーシャルディスタンスが叫ばれるなか、協働作業がしにくいという状況を、デジタル技術を駆使することで克服した、今だからこそ価値のある面白い作品に仕上がっています。それでは、なぜこの作品は面白いのか。

 

 ソーシャルディスタンスというのは、感染を防ぐために必要な距離であるとされながら、同時にそれは親しい人との関係性を分断するというマイナスの面を持っています。この作品は、そのマイナス面を逆手にとり、個々が距離を保って別々に作業しながらも、それをデジタル技術によって一つのまとまった作品群に結晶させていくことで、通常よりも強いチームとしての一体感、達成感を生み出しているのです。それは、見る者の心にも響いてきます。そして、アイデア一つでマイナスの価値はプラスに転換できるという新しい価値観、新しい協働のあり方を差し出してきます。ここに作品の面白さの源泉があるのです。

 

 私は、今年度、この学校の生徒が卒業時にどんな人に育ってもらいたいかという「めざす生徒像」を次のように設定しました。一つ目は「責任ある行動を取れる生徒」、二つ目は「多様性を認めて協働できる生徒」、そして三つ目は「新たな価値を創造できる生徒」です。この三つは、本校の校訓「自律、恕思、創造」を具体的な生徒の姿に落とし込んだものです。

 それでは、どうすればこのような人になれるのか。それは、日々皆さんが取り組んでいる授業や課題、朝読書、放課後の活動などに真剣に向き合い、ひとつひとつを充実させることです。先生方は、皆さんを「めざす生徒像」に近づけるため、いろんな工夫をして教育活動に当たられています。今、取り組んでいる活動のひとつひとつに大切な意味があるのです。今回の美術科の作品は、そのことをあらためて感じさせてくれたように思います。

 

 芸術高校の生徒としてのアイデンティティをしっかりと確立して卒業できるよう、今年度もしっかりと学校生活に励んでください。以上で講話を終わります。