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校長室

根拠のない自信
2013年04月11日

 

 

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    「根拠のない自信」       
                                                                校 長  平 井  義 人

 昨日、平成25年度の入学式を無事挙行することが出来ました。皆様誠にありがとうございます。さあ、スタートです。三学年が

揃ったところで、私は生徒の皆さんに次のようなメッセージを送りたいと思います。

 「根拠のない自信」を持とう。脳科学者の茂木健一郎さんが、自殺防止をテーマとしたシンポジウムで、聴衆に投げかけた言葉

です。いわく、「人間の脳は、根拠のない自信を持っている。楽観的であることは、人間の生きる力でもある。自殺は心の病気と言

われるが、その心を作り出す脳の状態を変えられたら、いくらでも前向きに生きることができるのではないか」。私は新聞でこの記

事を読んで、身が震えるような衝撃を受けました。なぜかって?それは、自分自身根拠がないのに自信をもったり夢見たりすること

は、愚かだと思っていたからです。でもそれは、間違っていたのですね。根拠がなくても、その自信によってアクティブに行動できる

としたら、そのエネルギーがいつかはその人をその高みに引き上げてくれる。茂木さんの言葉はそのように私たちを励ましてくれ

ます。根拠よりやる気だ、と。

 そういえば、セルゲイ・ラフマニノフが「ピアノ協奏曲第2番」を作曲できた背景に「根拠のないおだて」があったことは有名です。ラ

フマニノフは、自分が渾身の思いで作り上げた曲、「交響曲第1番」の評判がきわめて悪かったことを悩み、ノイローゼにかかってし

まいます。その彼の心の病を担当した医師ニコライ・ダール博士は、セルゲイのノイローゼを治癒すべく、会う度に彼をおだてたそう

です。「君はそのうち立派なピアノ協奏曲を書くことができる。そしてそれが大成功を収める」と。そうやって出来た曲があのラフマ

ニノフの代表作とでも言うべき「ピアノ協奏曲第2番」だったのです。あのロマンチックな名曲が、ダール博士がいなかったら聞けな

かったとしたら、ダール博士は私たちにとっても大切な人に違いありません。さらには、「私にもダール博士がいてくれたら!」と、

誰しもが思ったのではないですか?。歴史研究者の中には、ラフマニノフがダール博士の治療を受けたのは数回だけという点や、

「ピアノ協奏曲第2番」が出来たのはその治療の1年以上も後のことだという点で、この逸話を疑問視する人もいます。でも、何も

ないところにこのような逸話は生まれません。ラフマニノフがダール博士の言葉に励まされたことは事実だったのではないでしょう

か。

 さあ、君たちは、もっと沢山根拠のない自信を持ちもっと沢山根拠のない夢を見て良いのです。根拠は、この学校で思いっきり勉

強して、これから作り上げれば良いのだから。まだ遅くない、頑張りましょう。

                                                    平成25年4月