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校長室

令和2年度 入学式 式辞
2020年05月07日

式辞

重苦しいニュースが続く日々の中、久住高原には山野草が青々と芽吹き、そして日に日に濃さを増すくじゅう連山の緑に、自然の営みの偉大さを感じます。

 新型コロナウイルス対策のため、本校の入学式は県立高校では一番遅い入学式となりました。それは、本校が大分県唯一の全国募集をしている学校であるからです。そこで、県外からの、新入生8名、在校生1名は4月9日から普通どおり寮に入り、度重なる学校再開延長の中、28日間の健康観察と寮での生活を乗り切ってくれました。本当に大変だったと思います。ありがとう。

 そして、本日ここに、入学式の規模を縮小する形とはなりましたが、大分県立久住高原農業高等学校第2回入学式を挙行できますことに、安堵する思いとともに今後への明るい希望を見出せた喜びを感じています。

 本日の御臨席はかないませんでしたが、たくさんの方々から、皆さんの入学を祝福し、励ましのメッセージをいただいておりますことに心から御礼を申し上げます。

 ただ今、入学を許可した36名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんは義務教育を終え、自分の将来を考える中で、社会に出て必要となる力を求めてこの久住高原農業高校を選択してくれました。そのことに、職員一同心から感謝し、歓迎いたします。

 さて、本校は平成の学校再編計画により、単独農業高校が無くなっていた中、大分県農業の振興を担う人材を育成するため、また、県内農業系高校9校全てのレベルアップを図るために研修施設である「くじゅうアグリ創生塾」を併設した、大分県唯一の単独農業高校として昨年開校いたしました。

  これからの農業はAIや情報処理機器、また、ドローンやロボットを使ったスマート農業へと大きく変化しようとしています。これは、これまでの農業技術の革新の中でも一番大きな変化になるのではないかと考えられます。本校には、既にドローンやiPad、農業用センサーが導入され、大分県の農業高校の中では最新の農業設備が整っています。また、全国から有名な農業経営者や講師の方に講義をしていただける環境もそろっています。さあ、皆さんには 久住高原農業高校の2期生として、将来の農業経営者として、この久住高原農業高校の未来と、日本農業の未来を築いていってもらいたいと思います。

 

この中の、多くの生徒が3年間の寮生活を送ることになると思います。15歳という若い君たちが保護者の元を離れ、この久住高原農業高校で学ぼうと決心してくれたことに、感謝と称賛を送りたいと思います。

神戸大学の名誉教授であった川畑徹郎先生が取り組んでおられる、自己肯定感と問題解決能力を高める「ライフスキル教育」の中で、健全に生きていく為には多くのスキルが必要であるが、正しい「意思決定」のスキルは重要であり、人生は選択の連続であると言われています。まさしく、皆さんは保護者の元を離れ自分の将来のために寮生活をして農業を学ぶという大きな選択をしたわけです。その決断を自分がしたということが素晴らしいのです。

この選択をする上で、農業を極めるために来たんだという生徒、また、これまでの自分を変えたいから来たんだという生徒がいると思います。

 私も、寮が併設された県内の農業高校で3年間を学びました。家は非農家でしたが、植物が好きだったこともあり農業高校を選んだのですが、選んだ理由はそれだけではありませんでした。それは、それまで親に甘えていた自分を変えたいという思いがあったからです。そこで、自ら決心して、寮がある農業高校を選びました。最初は、初めて親元を離れて生活することに不安もありましたが、直ぐに友達もできて、寂しくはありませんでした。それどころか、規則正しい生活や、先輩や同級生との人間関係作り、朝から夜まで農業を学べる環境など、今の自分があるのは、あの3年間の寮生活と学校生活があったからだと思っています。新入生の皆さんもこの3年間で自分が何をしたいのかを考え、目標に向かって、あきらめずに頑張ってください。大きく成長してくれるものと信じています。

 保護者の皆様も、お子様が自分の元を離れて暮らすことに不安をかかえておられると思います。私の母も最初の3か月は私のことを思い出すと涙を流したと言っていました。また、父は帰省して、帰寮する土曜日には、私を寮に送るために往復2時間かけて車で送ってくれました。反抗期であった私は父と車の中で話すことは無かったと思います。しかし、あの時の父との車中の時間や母の思いを知れたことは私の財産であり、今でも親に感謝しています。どうぞ、保護者の皆さんも、頑張っているお子様を温かい目で見守り、励ましていただければと思います。

 結びになりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。教職員一同、全力を挙げて、保護者の皆様や地域の方々から信頼される学校づくり、地域に貢献できる人材育成に向けて、本校の教育活動を推進してまいります。是非とも本校の教育に対し、ご理解とご協力・ご支援をお願い申し上げます。

 新入生の皆さんが、今日のこの喜びとそれぞれの決意を忘れることなく、実り多い高校生活を送ることを祈念し、式辞といたします。                               

 令和2年5月7日

 大分県立久住高原農業高校        校長 佐藤 智之