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校長室

第4回卒業式・修了式
2021年03月01日

3月1日(月)10時より第4回卒業式・修了式を執り行いました。

当日の式辞を掲載します。

〔式辞〕

 厳しい冬の寒さも日増しに和らぎ、校庭の木々にも春の訪れが感じられるこの佳き日に、多くの保護者の皆様のご臨席を賜り、令和二年度大分県立海洋科学高等学校 第四回卒業式・修了式を厳粛に挙行できますことは、私どもの大きな慶びであり、深く感謝申し上げます。

 また、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。皆様の胸には、十八もしくは二十年前、生まれてきてくれた日からの、様々な思い出が去来していることと拝察いたします。振り返れば、子育ての日々が、なんと親の人生を豊かにしてくれることか、まさに子は宝です。これまで本校の教育活動にご理解とご支援を賜りましたことに、厚く御礼申し上げます。

 ただ今、卒業証書・修了証書を授与しました、三十四名の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは今、卒業・修了という大きな節目にあって、学校生活のいろいろな出来事が、まぶたに浮かんでいることと思います。翔洋丸での初の遠洋航海、インターンシップ、マリンピック、海高祭、修学旅行、全国産業教育フェア、マリンスクール活動等々。楽しいことも、時には厳しいこと辛いことも、きっとあったことでしょう。様々な学習活動、部活動や学校行事、友との語らい、これらのすべてを通じて、皆さんのものの見方や考え方が深まり、進みたい方向を探りながら自分の世界を広げてきたことと思います。この学校生活での学びは、皆さんが、これから自らの持てる力を発揮して、自分や自分の周りの人が生きるしあわせな未来社会を築いていくための練習であり準備でした。在学中、皆さんは本当によく頑張ったと思います。皆さんは、様々な個性を持つ仲間と、互いに認め合い、時に助け合い、学び合って成長してきました。皆さんのそのような姿を私は大変うれしく、誇らしく思います。そして同時に、皆さんが互いに認め合い学び合っている姿から、私たち教職員もまた、多くのことを学ぶことができたと感じています。皆さんに深く感謝したいと思います。

 皆さんがこれから大人になり、社会で向き合わなくてはならない課題は、どこかに正解があって、それを知っていて憶えていれば丸をつけてもらえる、というものではありません。あらかじめ決まった答えがないのはもちろん、答えは一つとは限らない、それどころか何が課題かもはっきりしないところから、道筋をつけていかなければならないこともあるでしょう。しかも、立場や価値観の異なる人々と協働して、それらに取り組んでいくことが求められます。これからそのような社会を生きることを、不安に思う人もいるかもしれません。しかし、そこで大切なことを皆さんは高校時代にちゃんと練習しています。

 卒業にあたり皆さんへの贐(はなむけ)として、ある企業の話をしたいと思います。

 みなさんは、下町ロケットという小説は知っていますか。阿部寛さん主演でドラマにもなりました。下町の町工場が宇宙開発事業で大企業と渡り合うという話でした。あの小説に出てくる「佃製作所」にはモデルとなる会社はないと言われていますが、非常に似ている会社が北海道にあります。植松電機という会社です。HPには資本金一千万で従業員は二十名とありました。この小さな会社がロケット開発に挑んでいます。その会社のHPを見てみると、『「どうせ無理」を「だったらこうしてみたら?」に。人の可能性を奪わない社会を目指します』というメッセージが大きく掲げられています。もう少し読むと、「どうせ無理」という言葉は、人の可能性を奪います。興味を持たなくなり、やる前に諦め、考えなくなってしまいます。「だったらこうしてみたら?」という言葉は、人の可能性を広げます。「やったことが無いことに挑戦し、あきらめず、より良くを求めるようになります」と書かれています。「より良く」を求めるためには「やったことがないことに挑戦し、あきらめない。」すると「人の可能性」が広がる。今の社会は非常に変化の激しい社会であり、「社会が求める人物像」も刻々と変化をしていますが、そのような社会の変化にも柔軟に対応できる資質を身に付けることにもつながるものがあると思います。皆さんは「どうせ無理」と言ったことがありませんか。その時、友人や先輩、あるいは親や先生から「だったらこうしてみたら」と言われたことはありませんか。是非、みなさんが「だったらこうしてみたら?」と言える人になってくれればうれしいと思います。皆さんは、大分県だけでなく日本の宝です。一人一人が、社会を支え、地域創生の核となって活躍する人財となってくれることを期待しています。

 最後に、保護者の皆様には、日頃から本校の教育活動に並々ならぬご理解とご協力を賜りましたことに深く感謝申し上げます。立派に成長した卒業生、修了生を本日、ご家庭にお返しします。四月から新たな就職・進学先に温かく送り出してください。本当にありがとうございました。

 併せて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策として、変則的な形での卒業式実施となりましたことに対しお詫びを申し上げるとともに、保護者の皆様のご理解とご協力に厚く御礼申し上げます。

 それでは、卒業生、修了生の皆さん、いよいよ旅立ちの時が来ました。皆さんの洋々たる前途が健やかに、そして幸多からんことを祈念し、式辞といたします。

 

令和三年三月一日

大分県立海洋科学高等学校  校長  渕野 敬三