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学校からのお知らせ

令和元年度 卒業証書授与式 校長式辞
2020年03月01日

第70回大分県立日田林工高等学校卒業証書授与式

 式 辞

 校庭の梅の花もうつくしく咲き澄んだ香りを運んできます。

春の息吹を感じる今日の佳き日に、大分県立日田林工高等学校を卒業する第70回生157名の皆さん、卒業おめでとうございます

 また、これまでお子様を支えてこられた保護者・ご家族の皆さまにおかれましては喜びもひとしおのことと存じます。

お子様のご卒業まことにおめでとうございます。これまで本校の教育活動にお寄せいただいたご協力とご支援に対し心より感謝いたします。

ありがとうございました。

 さて、本校は3つの「生徒努力目標」を掲げています。

「良い伝統の継承」として敬愛の精神と規律ある生活習慣の確立、「学力の向上」として授業・実習を大切にすること、「1.1の精神」として部活動と資格取得への挑戦をあげています。皆さんは生徒努力目標を157名全員が達成した素晴らしい学年です。

挨拶、礼儀正しさ、欠席の少なさ、授業態度・頭髪服装・身だしなみのよさ、校内美化の取り組みなど日田林工の良き伝統を継承してくれました。

資格取得においては、林工マイスターやジュニアマイスター顕彰など、大分県内における資格取得率ナンバーワンの結果を残し、部活動・クラブ活動においても県大会で上位の成績を収め、多くの部が全国大会・九州大会に出場しました。生徒会活動においても、体育大会・月隈祭・千年あかりなどは全員が熱く熱く燃えた行事でした。特に体育大会での応援演武とバックボードのクオリティの高さはどの学科も甲乙つけ難い程の出来栄えで、学科全員が一体となったパフォーマンスは、見ている者を魅了しました。

皆さんはどの活動もどの行事にもリーダーシップを発揮し、日田林工高校をひとつにまとめてくれました。

そして、月隈祭での学校全体が一つになった盛り上がりは、まさに「アオハル」の結実でした。これら数々の栄光は、日田林工高校の伝統である「1.1の精神」という当たり前を1とし0.1の努力を加えることを157名一人ひとりが目指し実現した結果であると思います。

この3年間の努力が必ず皆さんの将来に希望と自信を与えてくれるものになるでしょう。

私が皆さんを素晴らしいと思うことは、何事にも仲間と支えあって励ましあって諦めずに取り組むことができたということです。先日の機械科課題研究発表会において、次のような感想がありました。「一人で迷った時などには、班員と話し合いをしました。班全員で話し合うことで、一人では解決できなかったことが解決しました。班員全員の力を合わせることで一つの作品が完成できてとても嬉しかったです。」と。また、電気科の出前授業では、「未来に繋がる最新機器活用プロジェクト」として燃料電池カーやドローン、プログラミングといった研究内容を中学生に皆さんが優しく説明していました。どのブースも笑顔に溢れていました。将来AIに負けずにAIを使いこなすであろうと思わせる発表でした。どの学科も課題研究を通して「技術力・発想力・コミュニケーション能力」を身につけると同時に「仲間と協同する力」を実感したことでしょう。

このことは、校歌の中にも歌われている「咸宜園」を開いた広瀬淡窓先生が読んだ詩の一文にも

道ふことを休めよ (いうことをやめよ)

他郷苦辛多しと (たきょうくしんおおしと)

同袍友有り (どうほうともあり)

自ら相親しむ… (おのずからあいしたしむ)

(口語訳は)

故郷を離れて苦労が多いなんて、そんなこと言うなよ

ここには志を同じくする仲間がいる

助け合いの楽しみも自然と生まれてくる

と「仲間と助け合うことが大切である」ことを説かれています。皆さんは、200年もの時を経て、広瀬淡窓先生の教えを実感したことと思います。

 さて、皆さんが入学した平成29年は、九州北部豪雨災害に見舞われ本校体育館も避難者で溢れました。

その後、皆さんは授業や校外学習において「防災・減災」について学んできました。

林業科は、森林を守ることは森を放置するのではなく植林・伐採等ひとの手を入れ森林環境を整備することが防災・減災になり、その担い手が林業科であるということを学びました。建築土木科は、災害に強い街づくりのため、災害現地のフィールドワーク、防災マップの作成、災害ボランティア育成教材の製作、地域と連携した避難訓練などを行い、自然災害に強い土地や家屋の研究などを行ってきました。

4学科の学習は、人々の生活を守り、命を守ることに繋がっています。

福岡県出身で昨年12月に亡くなったペシャワール会の中村哲医師は、パキスタンのペシャワールの地でアフガニスタンからの難民支援を行っていました。「医療と薬だけでは人々の健康は守れない」と、中村哲さんたちは難民らの病気の背景には、今も進行する干ばつによる慢性的な食糧不足と栄養失調があると考え、医師として年間約5万人の診療にあたりながら難民救済の手段として灌漑水利事業に取り組みました。(その工事は朝倉市山田の斜め堰をモデルに築造したそうです。) 「100の診療所よりも1本の用水路をつくるのだ」と1600本の井戸を掘り100万人の生活と命を支えました。病の予防には、森林と農地の回復が必要だったのです。皆さんが各々4学科で学んだことは、人々の生活を守り、ライフラインを維持し、命を守ることに繋がっています。

ここで、卒業に際し皆さんに、はなむけの言葉を送ります。

一つは「トライ&トライ 失敗を恐れず何度も何でもやってみよう。」ということです。ものづくりにおいて失敗は完成に向かう一歩です。

少しでも進めば完成に近づきます。実習や課題研究で培った粘りと諦めない心でこれからも「トライ&トライ」挑戦し続けてほしいと思います。

もう一つはお願いです。ともに3年間を過ごした仲間たちを大切に、いつまでも繋がりをもってください。そして皆さんを育んでくれたふるさとと保護者の方々への感謝を忘れずにいてください。

 結びに、私たち教職員は、「日田林工高校は社会に一番近い学校である」との思いで皆さんと共に学んできました。私たちは皆さんのことをいつの時もいつまでも応援しています。希望に満ちた出発の日にあたり、皆さんの前途が健やかで幸多からんことを祈念し式辞といたします。

              令和2年3月1日

               大分県立日田林工高等学校 校長 魚形幸助