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学校からのお知らせ

『令和元年度: 大工 卒業式』学校長式辞を記載しました。
2020年03月13日

 [ コンテンツ・データ記載= 総務分掌 WEB担当  ] ※参考 = アイテム更新  令和2年 3月 13日 (金)  20:52  

 式辞

 寒暖差の大きかった冬の寒さもようやく和らぎ、降りそそぐ陽光の眩しさに本格的な春の訪れを感じる今日の佳き日、多くの保護者の皆さまにご列席いただき、令和元年度大分県立大分工業高等学校「卒業証書授与式」がこのように厳粛に挙行できますことに、卒業生はもとより私ども教職員一同、心から感謝申し上げます。

 まず最初に、本来であれば、在校生やご来賓の皆さまから祝福を受けながら、卒業をお祝いしていただくところですが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策のため、今回のような少し寂しい卒業式になったことを校長として卒業生並びに保護者の皆さまにお詫び申し上げます。

 さて只今、卒業生に対しまして、本校における三年間あるいは四年間の課程を修了したことの証しとして、卒業証書を授与しました。全日制課程二六六名、定時制課程十一名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんの晴れの門出を心からお祝い申し上げます。また、保護者の皆さま、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。衷心よりお喜び申し上げますとともに、入学以来三カ年あるいは四カ年にわたり本校の教育活動に深いご理解と温かいご支援を賜りましたことに、謹んでお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

 本日卒業される皆さんは、創立以来一一八年の歴史と伝統を誇るこの大分工業高校で、「正確、勤勉、健康」の校訓のもと、勉学や部活動に励み、努力を重ね、心身ともにたくましく立派な若者に成長しました。特に、定時制課程を終えられる皆さんは、働きながら学んだ四年間、苦労も多かったと思いますが、その道を歩んだ者のみが獲得できる「確かな自信」と「大きな誇り」を勝ち取りました。本当におめでとう! 本日の二百七十七名の皆さんの栄えある卒業は、皆さんひとり一人の向学心と弛まぬ精進の賜物であることは言うまでもありませんが、同時に皆さんを温かく見守り育んで下さったご家族の皆さまや厳しくも慈愛に満ち熱心に指導して下さった先生方、さらには先輩方や後輩、そして友人たちの有形無形のご支援なしにはあり得なかったことにも、思いを馳せて頂きたいと思います。 

 皆さんはいよいよ四月から新しい生活がスタートするわけですが、現在、私たちを取り巻く社会は、少子高齢化による生産年齢人口の減少など成熟した日本社会の抱える様々な課題に直面しています。また、第四次産業革命とも言われるAI(人工知能)やこの春から商用サービスが始まる5Gの導入によるIot技術の更なる拡大により、様々な定型的な仕事が自動化され、ロボットやドローンなどの遠隔操作も可能となり、これまで人間の行ってきた仕事が奪われるのではないかと危惧されています。しかし、人手に頼ってきた仕事をロボットなどの機械に任せ、余った時間を使って、より高次元でクリエイティブな仕事に集中できる環境が整っていくことは、むしろ歓迎すべきことでもあると考えられます。

 これからのSociety5.0といわれる「スマート社会」を生き抜くためには、「生涯にわたって学び続ける」ことが重要です。「学ぶ」というのは、単なる知識を獲得することだけではありません。新たに変化する状況を理解し、課題を解決していくために必要な能力を自ら獲得していこうと努力することです。人はよく「学生時代、もう少し勉強しておけば良かった。」と言いますが、人が「学び」を止めることはありません。過去の経験を自分のこれからの経験に活かす「学び」に転換して自分の人生を豊かなものにして頂きたいと思います。

 人の一生は、登山とよく似ていると言われます。私も四〇年近く登山をしてきましたが、山から多くのこと学んだように感じます。山登りのゴールは頂上ですが、山登りも仕事も目標に向かって努力を続けなければゴールにたどり着けないといった点で共通しています。どんな仕事に就いたとしても、やはりチームワークが一番大切だと感じています。私が、教師の一人としてチームで仕事をする上で大切だと思ったことが三つあります。

 まず一つ目は、「(正しい判断のために、耳を傾むける)謙虚さを持つこと」、二つ目は「(仲間を思いやる)誠実さがあること」、三つ目は「(失敗を恐れず挑戦する)強い意志を持つこと」です。厳しい登山になればなるほど、仲間同士で支え合う人間力が問われます。中国の儒教の経典の中に、孔子の書と言われる「論語」があります。その論語の中に三つの徳「知仁勇」という有名なことばがあります。「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず」です。この意味するところは、しっかりと頭が働き知のある人はあわてたりうろたえたりしない。人に対して誠意があり真心をもって接することができる優しい仁の心を持つ人は無駄な心配事は抱えない。勇気のある人は、困難を前にしても恐れることはない。この三徳をバランスよく身につけた人が素晴らしい人間性を持った人ということになります。皆さんには、「知仁勇」という三徳を心に留めておいて頂きたいと思います。

  これから就職や進学で社会に旅立つ皆さんの人生には、数え切れないほどの素晴らしい出会いや楽しい出来事が待っていることでしょう。そして、同時に想定を超えた自然災害など、苦しいことや辛いことも待ち受けているかも知れません。しかし、この大分工業高校で立派に成長した皆さんなら、これからの多様性あふれる世の中を「大工魂」で逞しく生き抜いてくれると信じています。そして、皆さんひとり一人の前途が光り輝き、楽しく充実した人生になることを心から願っています。

 終わりになりますが、保護者の皆さま方のご臨席に重ねて感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんのご健勝とご多幸、そして更なる活躍を祈念して、式辞と致します。

 令和二年三月一日     

                                                                                    大分県立大分工業高等学校   校長  原 勇人

[ 記載データは、『令和元年度・ 大工 卒業式』と『定時制教育振興会表彰式・記念品贈呈式』、更には『HRに於ける各種表彰・伝達式』等の様子を纏めた “アニバーサリー・ファイル Ⅲ”。  ]