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学校からのお知らせ

平成28年度2学期始業式 校長式辞
2016年08月22日

 リオ・オリンピックが終わりました。今回のオリンピックも様々な印象に残る場面がありました。それぞれの選手が大変な頑張りを見せてくれ、多くの感動を我々に与えてくれました。

 その中で、私が最も印象に残ったのが、バドミントンの女子ダブルスで日本初の金メダルをとった「タカマツ」ペアの、松友美佐紀選手の言葉です。彼女は、決勝を終えたあとのインタビューで泣きながら「試合をしていく上で、五輪で最後と決めている選手もたくさんいて、それがつらくて。 いろいろな選手がいて、いまの自分がいる。もう戦えないと思うとつらかったです…」と言っていました。 
 金メダリストになった喜びに加え、勝敗を越えて、対戦相手やオリンピックに参加した全ての選手に対するリスペクトの気持ち、そして共に競った仲間の去就にまで思いを及ぼさせる、彼女の気持ちに感動しました。それは彼女の豊かな想像力でもあります。

逆に、残念だったのが、競泳男子800mリレーで金メダルを獲得したアメリカの代表選手たちの事件です。金メダルを取った嬉しさでお酒に酔った4人の選手が、ガソリンスタンドに立ち寄ってトイレのドアなどを壊し警備員から銃を向けられたのが真実であるにもかかわらず、リオ市内で武装した集団から強盗被害に遭ったとの虚偽の訴えをしました。そして、その中で最年長の選手は、他の若い3人の選手をブラジルに残し、自らは先にアメリカに戻り、何食わぬ顔をしていたようです。彼らの中にブラジル人に対する蔑みの視線が感じられます。自分のとった行動がオリンピックに全力を傾けてきたアメリカ選手団の名誉を傷つけるものだとは考えなかったのでしょう。なんという想像力の欠如でしょうか。

 今日、私は皆さんに紹介したいものがあります。これは熊本県のある高校の生徒が全校生徒にあてたメッセージです。4月の熊本地震があった時、その生徒会長から学校のほうにホームページに出して欲しい、と申し出て、それを学校がアップデートしたものです。

 今回の熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

 一人の被災者として僕から皆さんに伝えたい事は2つ。

 1つ目は、何よりも自分の命を大切にして欲しいということです。

 僕らには家族がいます。友達がいます。先生がいます。なんといっても夢があります。

 家族があり、先生と学び友達と語り合える学校があり、目標があるから努力ができる。これまでの何とももなかった日常が、かけがえのないものであったことは皆さんが一番わかっているはずです。

 そしてその日常の前提は「生きている」とういことです。

 この災害で身体的にも精神的にも、きつい思いをしている人がたくさんいるはずです。しかし、生きている限り、僕らにできない事はありません。体を、命を、何よりも大切にしてください。どうか無理はしないで。時間が経てば、今までのかけがえのない日常に戻れます。それまでまだまだ油断は禁物です。

2つ目は、この災害を自らの成長の糧にできる勇気を持ってほしいということです。

 今も避難所で暮らしている人もいるでしょう。(僕もそうです(笑))地域でボランティアをしている人もいるでしょう。自分が被災したからこそ、感じられること、見えるものがたくさんあるはずです。その経験を、思いを忘れてはいけません。

 災害を生き延びた私達の次なる責務は、その大きな犠牲を無駄にしないことです。そして、新たな犠牲を生み出さないように努力することです。

 この地震がもたらした被害は計り知れません。しかし、災害がもたらした経験を自分への成長の糧にして欲しい。その勇気を持って欲しいと思います。

  何よりも命を大切に、そして、この経験を自分の力に。僕の知る皆さんはこれができると信じています。

 また、元気な皆さんと会えるのを心から楽しみにしています。

 それまで、みんな、頑張ろう!

 平成28年4月27日 ○○高校 生徒会長  ○○○○

 私は、一学期の終業式で皆さんに想像力を持って欲しい、といいました。「想像力が働けば、私達の社会は心豊かなものになる。人と人との関係は快適に、過ごしやすいものになる。」といいました。そして、この夏、このメッセージを見ることが出来ました。

 自らも被害者であるこの生徒は、自分の事を顧みず地域の人たちのためにボランティア活動に飛び込んでいます。そしてボランティア活動をしながら、友達のことだけを心配するのではなく、同じ学校で学ぶ他の生徒たちを心配しています。このメッセージの中に、被災してどん底状態にある他の生徒たちの気持ちを察しながら、勇気づけようとする言葉を感じ取ることができます。

 自分の家族や友人の事を気遣うのは誰もがすることでしょう。しかし、その枠、自分の家族や友人だけで作られている、いうなれば「自分の世界」を超えて、他の人に対する優しさや思いを持ち、くじけそうになっている人を励まし勇気づけようとする、彼の想像力に脱帽します。

 全ては想像力です。ものを作る創造力も大切ですが、人の気持ちに自分の思いを重ね、この人は、あの人は、何を思い感じているのか、それを考える想像力を皆さんにも大切にして欲しいと思います。青山高校の校訓は「明るく、強く、心温かく」ですが、温かい心を持つからこそ想像力も働くのです。

 さあ今日から2学期が始まります。3年次生はいよいよ進路選択の時期です。1・2年次生は授業選択と、自分の進路を決めなくてはなりません。学校行事も色々行われます。しかし、学校の中が色々な事で忙しくなっていくからこそ、忙しさで皆さんが人を思いやる、想像する心を亡くしてしまわないようにしてください。自分以外の人の事に思いを重ねる想像力をみんなが持ったそんな素晴らしい生徒が集まった別府青山・翔青高校であって欲しいと願っています。